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疑似DESに近い増資について

永吉先生

●●です。

(前提)
有限会社Aは介護事業(訪問看護及び老人ホーム)を行っている
資本金は700万円
株主は、代表取締役甲(妻200株)、取締役乙(夫300株)、取締役丙
(甲の父100株)、その他(100株)の4名
会社の繰越利益剰余金は△3600万円(相続税法での純資産△2000万円)

A社には、丙からの借入金3000万円がある。
手元資金の1000万円を丙に返済 → その1000万円で丙から第3者割当増
資を受ける
→ その増資額1000万円を丙に返済 → さらに丙が1000万円の出資
してもらうを繰り返し、
結果的に丙からの借入金3000万円を全額資本金としたい。
増資の理由は、現在は債務超過であるが、2-3年後には債務超過を解消し
たいためです。

(質問)
上記のスキームの場合、増資と返済を繰り返して行うため、会社法上等
の違反あるいは問題となることはないでしょうか。
相続税法上の純資産は△2000万円のため、相続税法上の株価が1円以上と
なった時は個人株主間での贈与が発生することは承知していますが、そ
の他に税務上の問題はないという認識です。

●●先生

ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。

1 ご質問

>上記のスキームの場合、増資と返済を繰り返して行うため、会社法上等
>の違反あるいは問題となることはないでしょうか。

2 回答

確かに、預合や見せ金のように、
払込みの仮装として、無効となる等の
議論がないわけではないように思いますが、

両者にはあたりませんし、
そもそも会社が負担している債務(借入金)
の返済という会社の財産の増加(=消極財産の消滅)
に資するものとも評価できますので、
無効等の問題にならないと考えます。

これが認められないならば、
そもそもD E Sも会社法上の有効性に
疑義がでてしまうところですが、実務上認められてい
るところでありますので。

よろしくお願い申し上げます。