いつもありがとうございます。
H28年に奨学公益財団を立ち上げ、非上場株式を寄付しました。
当時は、何事もなく措置法40条の申請が通りました。
また、現在追加でその財団に寄付する予定でおり、財団の寄付承認が出た状況
であり、これから40条の申請に入る予定です。
そこで、二点ご質問させてください。
➀ 以前と異なり最近では40条の承認申請が厳しくなっているという情報を聞
いているのですが、何か状況に変化があるのでしょうか?
➁ この財団は、上記寄附による株式の配当金以外には、配当元の非上場会社
からの寄付金運営費の寄付以外の収入はありません。
よって、配当収入を奨学金以外の事業費(配当の6%くらい)にも充てている
のですが、全てを奨学金に使用しないと、承認がおりない可能性はございま
すでしょうか?
40条申請の手引き記載要領48ページのロの1の“確認すべき事項”の、
「全てが育英資金等に充てられていますか。」の“等”は事務費に充てても
よいとの解釈でOKでしょうか・・・・
これまでは、何回か調査等もございましたが、承認されている状況です。
以上、ご教示いただきますようお願い申し上げます。
ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。
1 ご質問①
>➀ 以前と異なり最近では40条の承認申請が厳しくなっているという情報を聞
>いているのですが、何か状況に変化があるのでしょうか?
私も噂レベルでは聞いたことないわかけではないですが
平成28年以降に法的な意味で厳しくなったという
事情はないため、なんともいえないところです。
もともと、課税庁の承認によるもので、
各要件の判定についても、一定程度、運用に
依存する部分があるので、そのような
話もあり得ないわけではないのでしょう。
ただ、既に同じような行為で承認を受けて
いる場合、それを不承認とすることはハードルが
高いようには思います。
2 ご質問②
>この財団は、上記寄附による株式の配当金以外には、配当元の非上場会社
>からの寄付金運営費の寄付以外の収入はありません。
>よって、配当収入を奨学金以外の事業費(配当の6%くらい)にも充てている
>のですが、全てを奨学金に使用しないと、承認がおりない可能性はございま
>すでしょうか?
>40条申請の手引き記載要領48ページのロの1の“確認すべき事項”の、
>「全てが育英資金等に充てられていますか。」の“等”は事務費に充てても
>よいとの解釈でOKでしょうか・・・・
結局のところ、
公益目的事業の用に直接供されるかどうかの判定に
ついての問題となりますので、育英事業の用に供されて
いるのであれば、必ずしも全額が「育英資金」に
充てられなければならないというものではないでしょう。
(なお、手引きに過ぎず、解釈にルールが
あるわけではないため、「等」の解釈をというのは
難しいですが、あえて「育英資金に充てている金額」
ではなく「育英資金等」という表現を分けているというのは、
先生のご指摘のように読んで良いと思います。)
ただし、育英事業において、育英資金がメインの
利用用途となりますので、それと乖離が激しい
場合には、問題とされることはありえるという
ことでしょう。
6%程度であれば、その事情のみで
承認がされないというわけではないように思います。
なお、非公開会社の株式の場合、
いわゆる措置法40条通達13の注2にはご注意下さい。
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/shotoku/sochiho/800423/08.htm#a-13
よろしくお願い申し上げます。