いつもお世話になります。
●●です。
瑕疵担保責任と契約不適合責任についてについて教えてください。
(前提)
1.弊社のお客様のA社が、セキュリティールーターの物品の設置工事を行う際、
業務の一環として、A社独自の工事約款を作成しておりました。
そちらの約款には、瑕疵担保責任の期間を6ヶ月で作成しておりました。
しかし、A社のお客様から、瑕疵担保責任の期間は6ヶ月ではなく3年ではないか、と
問い合わせがありました。
(質問)
1.瑕疵担保責任の期間は、6ヶ月でしょうか、3年でしょうか。
2.そもそも、民法改正により瑕疵担保責任はなくなり、契約不適合責任になったの
で、この契約条項は意味がないのでしょうか。
3.契約不適合責任に関して、一般的な契約の文例で結構ですのでご教示頂ければと
存じます。
宜しくお願い致します。
参考にしたサイト
民法改正で瑕疵担保責任から契約不適合責任となって何が変わるか – BUSINESS
LAWYERS
https://www.businesslawyers.jp/practices/1049
ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。
1 ご質問①〜期間について
>瑕疵担保責任の期間は、6ヶ月でしょうか、3年でしょうか。
こちらについては、合意により変更が可能ですが、
商法上の規定は6ヶ月、民法では1年ということになります。
A社のお客様のいう3年というのは、
瑕疵担保責任の話ではなく、
不法行為に基づく損害賠償請求権の短期消滅時効期間が
損害及び加害者を知ったときから3年とされている点と
誤解しているのではないかなと勝手に予想しました。
2 ご質問②〜契約条項の理解
>そもそも、民法改正により瑕疵担保責任はなくなり、契約不適合責任になったの
>で、この契約条項は意味がないのでしょうか。
いいえ。合意がある以上、その条項が無効になるわけではありません。
ただし、民法・商法の規定を前提として、「瑕疵」などの意味を利用している
ことや民法上可能な請求などを前提として、契約書を作成していると考えられるので、
それを前提に合理的意思解釈がなどがなされるということになります。
そのため、
改正民法施行後に契約する場合には、民法に合わせた形で、
契約書の内容を精査・修正する方がが望ましいということとなります。
3 ご質問③〜条項例
以下などが受託者側の立場からすると一般的でしょうか。
(一定レベルで受託者有利)
いただいたU R Lの請求できるとされた手段の制限などを
どのように調整するか等になります。
あくまでも条項例になりますので、
個別のビジネスのオペレーションやお客様のとの関係性なども踏まえた上で、
個別に作成していくものとなるものにはなります。
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第●条(担保責任)
1 受託者は、本製品がその種類、品質又は数量に関して本契約の内容に適合せず、
かつ、本検収によっては当該不適合を発見することができなかった場合には、委託者に対し、本製品の修補、代替物若しくは不足分の引渡し(以下、併せて「履行の追完」という。)又は代金の減額のうちから、1つ若しくは複数の手段を選択し、請求することができる。ただし、受託者は、委託者に不相当な負担を課するものでないときは、委託者が請求した方法と異なる方法によることができる。なお、委託者は、受託者に対して代金の減額を請求する場合には、事前に相当の期間を定めて履行の追完の催告をするものとする。
2 前項の規定は、委託者の受託者に対する損害賠償請求及び契約の解除を妨げない。
3 買主は、第1項所定の不適合(数量及び権利に関する不適合を除く。)を発見した場合は、当該不適合を発見した日から6ヶ月以内にその旨を売主に対し書面により通知しなければ、当該不適合を理由として、第1項に定める履行の追完請求、代金減額請求、損害賠償請求及び契約の解除をすることができない。
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よろしくお願い申し上げます。