以下の件についてお教え下さい。
前提) 被相続人Aは遺言執行者を甲銀行として、遺言をしている。
法定相続人3名は全員遺言と異なる遺産分割を希望(同意)している。
質問)遺言執行者が指定されている場合、あくまでも遺言と異なる遺産分割は
遺言執行者のもとで行わないといけないか?遺言執行者の同意があれば、相続人だけ
で
分割協議は可能か。よろしくお願いします。
ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。
1 ご質問
>前提) 被相続人Aは遺言執行者を甲銀行として、遺言をしている。
>法定相続人3名は全員遺言と異なる遺産分割を希望(同意)している。
>質問)遺言執行者が指定されている場合、あくまでも遺言と異なる遺産分割は
>遺言執行者のもとで行わないといけないか?遺言執行者の同意があれば、相続人だけ
>で分割協議は可能か。よろしくお願いします。
2 回答
遺言自体に遺産分割を禁止する内容の記載が
ない前提(通常ありません。)であれば、
おっしゃるとおり、相続人全員の同意があり
かつ、遺言執行者の同意(民法1013条1項)があれば
民法、相続人だけで分割協議は可能です。
(遺言執行者のもとで行わなければならないわけでありません。)
ただし、執行者の同意があることを証明するため、
実務上は、遺産分割協議書を作成する段階で、
遺産分割協議書に、遺言執行者が被相続人の相続財産を
遺産分割協議で分割することに同意した旨を記載し、
遺言執行者からサインをもらっておくことが多いです。
なお、ご質問の趣旨とは異なるかと思いますが、
遺言執行者の同意のない遺言と異なる
遺産分割の効力については、無効と解されていますが、
「遺産分割」という名目であっても、
その合意自体は、「贈与ないし交換的に譲渡する合意を
したものと解されるのが民事の裁判例(東京地裁平成13年6月28日判決等)
の一般ですので、税務との関係はご注意ください。
よろしくお願い申し上げます。