さて、医療法人の残余財産の分配について教えて下さい。
(前提)
1 持分ありの医療法人(4月決算)が解散手続き中であり、8月29日で残余財産が確定しています。
2 残余財産が確定してから1カ月以内に、残余財産の分配の法人税の申告を行う必要があり、現在申告書が出せる状態となっています。
3 法人税法74条第2項 清算中の内国法人につきその残余財産が確定した場合には、当該内国法人の当該残余財産の確定の日の属する事業年度に係る前項の規定の適用については、同項中「二月以内」とあるのは、「一月以内(当該翌日から一月以内に残余財産の最後の分配又は引渡しが行われる場合には、その行われる日の前日まで)」とする。
(質問)
1 医療法人が清算手続き中のため、法人の事務処理能力が低いので、法人税の申告を先に残余財産が確定した日から1カ月以内に行って、その後実際の残余財産の分配を行いたと考えています。
2 上記のように行いたいと思っていますが、医療法上、税務上問題はないでしょうか?
3 今回は医療法人ですが、通常の株式会社、有限会社等でも清算手続き中ですと、事務処理能力が通常よりもかなり低くなっています。
そこで、上記の例と同じように残余財産の分配が確定して1カ月以内に法人税の申告を行い、その後速やかに実際の分配を行いたいと考えていますが、会社法上、税務上問題ないでしょうか?
お手数かけますが、よろしくお願いいたします。
ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。
1 ご質問
>1 医療法人が清算手続き中のため、法人の事務処理能力が低いので、
>法人税の申告を先に残余財産が確定した日から1カ月以内に行って、
>その後実際の残余財産の分配を行いたと考えています。
>2 上記のように行いたいと思っていますが、医療法上、税務上問題はない
>でしょうか?
>3 今回は医療法人ですが、通常の株式会社、有限会社等でも清算手続き中ですと、
>事務処理能力が通常よりもかなり低くなっています。
>そこで、上記の例と同じように残余財産の分配が確定して1カ月以内に
>法人税の申告を行い、その後速やかに実際の分配を行いたいと考えていますが、
>会社法上、税務上問題ないでしょうか?
2 回答
そうですね。確定申告をしたこと自体が、
会社法や医療法上問題となることはありません。
また、税務上も、残余財産確定事業年度
自体(残余財産の確定時までという意味で)の考え方は、
医療法人と株式会社と異なりませんので、
残余財産が確定しているのであれば、
むしろ清算確定申告をしなければなりません。
ただし、実務上はあまり問題とならないと
思いますが、持分を有する者から残余財産分配をするように
請求する権利自体はあるので、請求があれば応じる義務自体は
あります(ここは当たり前の話で、ご質問のご趣旨とは異なると思いますが
念のため)。
よろしくお願い申し上げます。