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事業年度変更(株主総会)は変更事業年度内で行わないといけないのか

永吉先生

いつもお世話になりありがとうございます。
●●と申します。

基本的な質問で恐れ入りますが
宜しくお願いいたします。

(前提)
○ 法人Aは4月末決算法人でしたが、R3年において7月末決算に
変更を予定しています。

○ 法人Aの株主は80%が社長甲、20%が友人乙(甲と同族関係はありません)
が保有しています。

○ R3年4月末決算の申告を6月末に提出し、
今回、事業上の理由や、繁忙期をずらした申告をしたいため
7月末決算に変更し、今月(9月末)の申告書の提出準備をしています。

○ 9月に入り、7月中において株主総会を開催した、事業年度変更(定款変更)の
議事録を作成し、異動届を税務署に提出しようとしたのですが、
その旨を念のため友人乙に伝えたところ、友人乙から、7月中にその様な
総会が開かれる事は招集通知も来ていないし、甲からも聞いていない、
バックデートでの議事録を作成することは問題あるのでは無いかという
指摘がありました。

(質問)

○ 確かにその通りなんですが、もし乙の指摘通りであれば
今から事業年度を変更する株主総会を開催すればと検討をしています。

そこで、ご質問ですが、変更を検討している事業年度末を超えてから、
直前期の事業年度末をその変更する月にする定款変更(事業年度変更)
の決議はできないのでしょうか。

つまり、7月末を直前期(R3年7月末)とするには、R3年7月末までに
定款変更の総会決議を行わなければ、変更ができない事になるのでしょうか。

7月末を超えても問題なく可能であれば、どっちでも一緒だし、
バックデートの事を懸念するのであれば、9月中に招集通知を送って
事業年度の変更決議をしようと考えています。

お手数をお掛けいたしますが
宜しくお願いいたします。

●●先生

ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。

1 ご質問

>そこで、ご質問ですが、変更を検討している事業年度末を超えてから、
>直前期の事業年度末をその変更する月にする定款変更(事業年度変更)
>の決議はできないのでしょうか。

>つまり、7月末を直前期(R3年7月末)とするには、R3年7月末までに
>定款変更の総会決議を行わなければ、変更ができない事になるのでしょうか。

>7月末を超えても問題なく可能であれば、どっちでも一緒だし、
>バックデートの事を懸念するのであれば、9月中に招集通知を送って
>事業年度の変更決議をしようと考えています。

2 回答

定款変更の効力発生するのは、
株主総会決議日以降となりますので、
遡及的に過去に遡って変更があったこととすることはできません。

なお、招集通知の瑕疵自体は、
原則として、手続上の瑕疵として株主総会の取消事由
になるにとどまり、
乙が株主総会の日から3ヶ月以内取消の訴えを
提起しない限り、株主総会自体は有効です。

例えば、40%程度を超える株主への招集通知の欠缺は
不存在事由になりえますが、

>法人Aの株主は80%が社長甲、20%が友人乙(甲と同族関係はありません)
>が保有しています。

とのことですと乙の招集通知の欠缺は
取消事由にとどまります。

今回は、甲もそもそも開催していない
という前提かと思いますので、直接の関連
はありませんが、乙からの指摘に対して
何かの役に立つかもしれませんので、記載いたしました。

よろしくお願い申し上げます。