税理士としての私の守秘義務について教えてください。
(前提)
・平成17年に被相続人甲の相続税申告業務を遂行しました。
・相続人は配偶者乙、長男丙、二男丁の3人でした。
・配偶者乙が今年2月に死亡しました。
・乙は生前、遺言公正証書を作成しており、その内容は「長男丙に
すべての財産を相続させる」というものでした。
・二男丙は遺留分侵害額の請求を行うため、弁護士戊に依頼しています。
・弁護士戊は配偶者乙の財産を確定するため、種々の資料を長男丙に
求めるも丙は拒否しています。なお長男丙も弁護士に依頼していますが、
現状では調停とか裁判にまでは移行していません。
・そこで、弁護士戊は平成17年に甲からどのような財産を相続したか
知りたいとのことで、二男丁に対して、「税理士から平成17年の遺産分割協議書
と預金の内訳がわかるものをもらってきてほしい」とアドバイスをしました。
・分割協議書の原本は協議成立時に配偶者乙に渡し、コピーしたものを私が持ち帰りまし た。分割協議書をすべての相続人に渡すことはしておりません。
また相続税申告書の控えは平成17年申告後に、配偶者乙に渡しています。
・しかし、乙が死亡し、丙と丁がもめている状況で、丁がこれらの書類を入手
することができないことは察することができます。
(質問)
・丁も平成17年当時の当事者ですから書類を渡しても問題はないのかな、
とも思う一方で、守秘義務違反に問われることがありはしないか、
と不安を感じています。
よろしくお願いします。
ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。
1 ご質問
>丁も平成17年当時の当事者ですから書類を渡しても問題はないのかな、
>とも思う一方で、守秘義務違反に問われることがありはしないか、
>と不安を感じています。
2 回答
そうですね。
ご指摘のとおり、丁も当事者となっている
書類を渡しても守秘義務の関係では問題ないでしょう。
一方で、先生は、既に乙に対して資料を渡している
ということですので、丁に対してこれらを渡す義務はありません。
丙と丁が揉めている状況で、
先生が丁に肩入れなどをすると、丙から
何かいってきて、紛争に巻き込まれる可能性も
0ではありません。守秘義務違反とならない
としても、丙が守秘義務違反だ等イチャモンをつけてくるということ
自体はありますので。
先生のお立場からすると、
既に10年以上前の資料という
こともありますので、ただのボランティアとして
ということであれば、資料はない等の
対応でも良いのではないかと、個人的には思います。
もちろん、関係性や先生のご方針によるところには
なります。
よろしくお願い申し上げます。