いつもお世話になります。●●です。
標題ですが可能なら教えて欲しいです。
【前提】
①不動産賃貸業を経営している法人A
②法人Aは建築費500万円で表面利回り
25%の収益物件を建築し所有している
(建築は他社に依頼している)
③不動産賃貸業を経営している法人B
より対価を払うので②の事業を
独占業務として行いたいという依頼があった。
(この事業を全国展開し全国に5,000箇所
建築する予定で、法人Aにはその資金力が
なく、法人Bはその資金力がある)
④③により法人Aは②の事業をできなくなる。
【質問】
②の事業のノウハウの対価をどうするか
悩んでるのですが価額設定の考え方が
分からないのでどうしたらいいか??
宜しくお願い致します。
ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。
1 ご質問
>②の事業のノウハウの対価をどうするか
>悩んでるのですが価額設定の考え方が
>分からないのでどうしたらいいか??
2 回答
確かにあまり事例のない悩ましい問題ですね。
契約上は、結局のところ、当事者の交渉を通じて、
合意した金額ということとなるのですが、
以下、考え方としてご参考にしていただければと思います。
>③不動産賃貸業を経営している法人B
>より対価を払うので②の事業を
>独占業務として行いたいという依頼があった。
>(この事業を全国展開し全国に5,000箇所
>建築する予定で、法人Aにはその資金力が
>なく、法人Bはその資金力がある)
>④③により法人Aは②の事業をできなくなる。
ということですので、
法人Bは、
・法人Aが②の事業を行わないこと
・法人Aがそのノウハウを第三者に提供することも禁止する
ということを望んでいるという意味かと思いましたので、
その前提で回答します。
(1)フランチャイズに近づける設定方法
今回は、法人Bが法人Aの名前やブランドを
利用するわけではないと思われるので、
通常のフランチャイズとは異なるかと
思いますが、ノウハウ提供という意味では、
フランチャイズに類似する側面があります。
例えば、法人Bは、
対象事業の法人Bの売上(または利益)
額に対して、毎月(または毎年)○%の金額を
法人Aに支払うとするものです。
パーセンテージは、法人Aが展開できる
事業規模と法人Bが展開できる事業規模
の違いを想定した上で、今後取得費等のコストが
かからないことを勘案した上で、
決定することになろうかと思います。
例えば、
3%で計算してどうか、2%で計算してどうか
などでシュミレーションを複数たて、
法人Aにとって納得感がある数字となるのかを
検証してみるのが良いでしょう。
(2)事業譲渡に近づけた設定方法
この契約で、法人Aは、対象事業を行え
なくなるということですと、事業を譲渡して
競業避止義務が発生する場合と類似するところが
あります。
ですので、
法人Aの現状の事業をD C Fまたは収益還元方式などで
(簡易)計算をして、その金額を基準として、
法人Bと交渉するという方法です。
もちろん、法人Bが全国展開するということは、
法人Bにはそれだけ収益が出る見込みということですから、
法人Aの現状の事業だけでなく、法人Bが予定している事業展開の
を一部加味する前提で計算するという方法にも合理性があると思います。
(3)両者を合わせた考え方
また、例えば、頭金として、現状の法人Aの
事業譲渡の対価に相当する金額を受け取りつつ、
その後については、フランチャイズフィーで支払いを
受けるという組み合わせの方法にも合理性があるように
思います。
(4)最終的な落とし所(金額面)
契約実務では、特に金額が大きくなる場合には、
一応お互いが歩み寄るために上記のような根拠を示した上で、
進めることも多いですが、最終的には法人Aとして、
当該事業を手放し、さらにノウハウまで教えることについて
いくら欲しいのかという点に依存してきます。
(フランチャイズでも事業譲渡でもそうであるように)
法人Aとして、今後この事業が一切できなくなること
や法人Bがうまく事業展開したと
仮定した場合に、いくらなら満足度がえらえるのか
というアナログなところが実は最も重要となるかと思います。
よろしくお願い申し上げます。