不動産 民法

時効が経過した更新料の支払い義務

永吉先生

いつもお世話になっております。
税理士の●●です。

時効が経過した後の更新料について対応方法を教えて頂ければと思います。

先日、顧問先が社宅を解約したに2回前の更新の際(2015年2月頃)に
貸主の不手際で更新料の請求をし忘れてしまったと顧問先に連絡がありました。

直近の更新(2017年2月頃)は適切に手続きをし更新料の支払いもしているので、
問題になっている2回前の更新料の支払いを拒否したいとの事です。

そこで
①更新料の支払いを拒否することは可能か
②可能な場合どのように対応すれば良いか
お手数ですが教えて頂ければと思います。

●●先生

ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。

1 ご質問①〜更新料支払拒否の可否

>先日、顧問先が社宅を解約したに2回前の更新の際(2015年2月頃)に
>貸主の不手際で更新料の請求をし忘れてしまったと顧問先に連絡がありま
>した。
>直近の更新(2017年2月頃)は適切に手続きをし更新料の支払いもしてい
>ので、
>問題になっている2回前の更新料の支払いを拒否したいとの事です。
>①更新料の支払いを拒否することは可能か

そうですね。時効期間は経過している
ようですので、時効の援用をすることで、支払債務の
消滅を主張し、支払を拒否することが可能です。

なお、その後、賃料を支払っていることや
直近の更新料を支払っていることが、債務の承認であり、
時効期間が更新されているという反論される可能性もありますが、
厳しい反論でしょう。

2 ご質問②〜対応について

>②可能な場合どのように対応すれば良いか

時効の援用をすることとなりますが、
債務者(顧問先様)から債権者(貸主)へ
時効を援用しますので、支払いませんと
伝えれば良いのですが、援用を明確にするために、

「○年○月○日に発生した更新料の支払債務について、
時効期間が経過しているため、時効を援用します。」

という趣旨の書面を内容証明郵便等で送ることが
一般的です。
(口頭で伝えて何もいってこなければ、そのまま
放置ということも選択肢としてはあります。
時効の場合、債務を認めるような発言などを
しない限り、裁判等で請求された段階で、援用する
という対応もありえるからです。)

よろしくお願い申し上げます。