共有不動産の担保についてご質問がございます。
<前提>
・母が亡くなり、母所有の土地(一筆)を父と長男で相続予定(それぞれ半分ずつ取
得)
・父は浪費癖があり、長男は父に対して不安を感じている
<質問>
・父と長男が相続した共有土地について、父はこれを担保に借金をすることはできる
のでしょうか(銀行だけでなく消費者金融など)
・上記ができる場合、それをさせないようにするには、何か方法はあるのでしょう
か。
よろしくお願い致します。
ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。
1 ご質問
>・父と長男が相続した共有土地について、父はこれを担保に借金をすることはできる
>のでしょうか(銀行だけでなく消費者金融など)
>・上記ができる場合、それをさせないようにするには、何か方法はあるのでしょう
>か。
2 回答
>・父と長男が相続した共有土地について、父はこれを担保に借金をすることはできる
>のでしょうか(銀行だけでなく消費者金融など)
そうですね。もちろん土地自体についての担保権の設定は
できませんが、父の共有持分について、担保権を設定する
ことは可能です。
もちろん、担保としての価値は土地自体の担保よりも
落ちますが、最悪持分を譲渡して回収できる程度の金額で
あれば、持分権に担保権を設定することもありえます。
(金融機関だと持分権担保による融資はもちろん積極的ではありません。)
担保権の設定及び実行にも一定のコストがかかりますので、
その不動産の場所や評価額にもよるところかと思います。
また、担保もそうですが、例えば、父が借金を負っていれば、
持分権の差押えなどをされる可能性もありますし、
業者等が買取りをし、共有物分割請求をされる
ということもあり得ます。
(その中で、長男に買取を求める)
>・上記ができる場合、それをさせないようにするには、何か方法はあるのでしょう
>か。
父が持分権を持つ場合、基本的にその持分権の処分は
父が自由に行えますので、
遺産分割で、長男が不動産を全て取得する以外には
回避する方法はあまり考えられません。
(仮に長男から父にお金を貸しているという状況などが
あれば、長男が抵当権をあらかじめ設定するという方法も
ありえることはありえますが、その場合、債権を代償として
長男が遺産分割で不動産を取得する方が通常です。)
>母が亡くなり、母所有の土地(一筆)を父と長男で相続予定(それぞれ半分ずつ取
>得)
おそらくご趣旨とは異なると思いますが、
相続「予定」というのが、母の相続開始前ということで
あれば、遺言等の対応も1つかと思います。
よろしくお願い申し上げます。