相続 遺言 不動産

将来相続するかもしれない財産についての遺言の記載方法

永吉先生、いつもありがとうございます。
●●です。

夫の一次相続の遺言書は公正証書で作成済みです。

夫の一次相続の遺言書で妻に複数の不動産、複数の預金などを相続させる
遺言書があります。

前提で、夫から死亡するものとして、
今回、妻の二次相続時の遺言書の作成の相談を受けています。

実際にまだ一次相続は発生していないですが、
妻の遺言書作成時に、将来、夫から相続するであろう不動産などの記載を
どのようにしたらいいか教えてください。

今のところ複数の不動産を相続人A、Bと異なる相続人に相続させたい
と考えているため、その他一切を相続人Aにするという文書は記載する予定ですが、
これですと全部がAになってしまいます。

夫が先に死亡するかどうかも実際は分からないため、
将来の相続するかもしれない不動産は、そもそも記載方法はないのでしょうか?

よろしくお願いします。

●●先生

ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。

1 ご質問

>実際にまだ一次相続は発生していないですが、
>妻の遺言書作成時に、将来、夫から相続するであろう不動産などの記載を
>どのようにしたらいいか教えてください。

>今のところ複数の不動産を相続人A、Bと異なる相続人に相続させたい
>と考えているため、その他一切を相続人Aにするという文書は記載する予定ですが、
>これですと全部がAになってしまいます。

>夫が先に死亡するかどうかも実際は分からないため、
>将来の相続するかもしれない不動産は、そもそも記載方法はないのでしょうか?

2 回答

一次相続で取得するかもしれない財産について、
二次相続に関する遺言で、記載することは可能ですし、
とても重要です。

以下のような記載になります。
なお、一次相続に関する遺言書が、夫から妻に「相続させる」旨
の遺言であることを前提とします。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
第○条 遺言者が、遺言者の夫(名前)から、以下の不動産の所有権を
相続により取得していたときは、当該不動産を遺言者の長男A(生年月日)
に相続させる。

(以下、不動産特定情報)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

この記載で、相続人Aと相続人Bにそれぞれ
相続させたい不動産を特定して、ご作成ください。

なお、以下は一次相続についてですが、実際に
書き直す必要があるかは別として、
例えば、妻が先に亡くなった場合に備えて、一次相続で
いわゆる予備的遺言を残すという方法もご参考になさってください。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
第○条 遺言者は、遺言者の妻(名前)(生年月日)に対して、
遺言者の所有する以下の不動産を相続させる。

(以下、不動産特定情報)

2 妻(名前)が、遺言者より前に死亡していたときは、
前項の不動産を遺言者の長男Aに相続させる。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

この遺言で、仮に妻が先に亡くなったとしても、
特定の不動産を特定の相続人に相続させることが可能です。

よろしくお願い申し上げます。