いつもお世話になりありがとうございます。
●●と申します。
相続人に被成年後見人がいる場合の遺産分割について
質問をさせて頂きます。
(前提)
○ 相続はまだ開始されていませんが、医師より年を越すのは
難しいのではと言われている父(83)がいます。
○ 父の家族構成は、配偶者(80)、長男(55)、次男(50)、長女(45)となって
いますが、
次男は被成年後見人であり、後見人(他人:入居施設の責任者)がおります。
○ 次男は生まれてから障害者であり、成年に達してから後見人を選任しました。
○ 父と母は、次男に対して将来の生活資金のことを心配しており、
贈与となりますが、次男のための貯蓄(預金)、施設入居の費用の支出など
一定の費用の支出や生前贈与(多額ではない)があります。
※ 生前の贈与について長男と長女に異議はありませんでした。
○ 父に相続が開始された場合、遺産分割協議においては次男の後見人が
参加することになるかと思います。
○ 次男以外の相続人である配偶者、長男及び長女の関係は良好であり、父が亡く
なった 後でも、責任を持って次男の面倒はみていくと考えています。
(質問)
質問①
○ 父の相続財産は自宅のマンション(時価6000万円)と現金5000万円ほど
ですが、後見人は必ず法定相続分を主張してくると考えられますでしょうか。
主張しなければ、家庭裁判所などから任務懈怠などの罰則が与えられてしまうの
でしょうか。
質問②
○ 弟には生前に贈与された預金の残高が1000万円ほどあります。
○ 父の相続で相続財産を取得しても、弟が亡くなった場合は、使い切れなかったお
金は、 結局、母か兄弟である長男及び長女が相続することになるため、今後の手続きな
ども考えて 父の相続においては、相続分はゼロとして遺産分割協議をまとめたいと考えてい
ます。
○ 後見人は被後見人の利益を確保する事が必要と考えられますが、後見人を説得す
るなど、 弟の相続分をゼロ若しくは限りなく少なくする方法などはあるのでしょうか。
遺言を父に書いてもらうと言うことが、現実的な方法でしょうか。
宜しくお願い致します。
ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。
1 ご質問①〜成年後見人の対応
>父の相続財産は自宅のマンション(時価6000万円)と現金5000万円ほど
>ですが、後見人は必ず法定相続分を主張してくると考えられますでしょうか。
>主張しなければ、家庭裁判所などから任務懈怠などの罰則が与えられてしまうの
>でしょうか。
そうですね。基本的には主張してくると思います。
また、分割内容について合意前に家裁にお伺いを立てて
問題ない旨の確認を受けてから行うのが通常だと思います。
後見人が、「入居施設の責任者」ということで、
慣れている前提であれば、家裁にお伺いを立てずに
合意するかというとしないのではないかと思います。
ただ、
>○ 弟には生前に贈与された預金の残高が1000万円ほどあります。
ということですので、この贈与部分については、
特別受益にあたるとして、相続分の計算上差し引くことは
できるかと思います。
2 ご質問②〜今後の対応について
>○ 弟には生前に贈与された預金の残高が1000万円ほどあります。
>○ 父の相続で相続財産を取得しても、弟が亡くなった場合は、使い切れなかったお
>金は、結局、母か兄弟である長男及び長女が相続することになるため、今後の手続きな
>ども考えて父の相続においては、相続分はゼロとして遺産分割協議をまとめたいと考えてい
>ます。
>○ 後見人は被後見人の利益を確保する事が必要と考えられますが、後見人を説得す
>るなど、弟の相続分をゼロ若しくは限りなく少なくする方法などはあるのでしょうか。
>遺言を父に書いてもらうと言うことが、現実的な方法でしょうか。
そうですね。相続分をゼロにすることは遺産分割では難しいです。
なので、遺留分に配慮した遺言を作成するというのが現実的な方法ですね。
よろしくお願い申し上げます。