●●です。
清算型遺贈と相続税申告と譲渡申告について教えてください。
公正証書遺言書があります。
遺言者は、遺言者の有する現金及び金融資産の全部を遺言執行者において換価し、
その換価金の中から、遺言者の長女及び遺言者の二女にそれぞれ金4000万円ずつ(合計金8000万円)
を相続させた上、その残金を、次の者に次の割合で相続させる。
妻に対して1/17
長男に対して4/17
養女(長男の嫁)に対して3/17
養子(長男の子)に対して5/17
養子(長男の孫)に対して4/17
金融資産に上場株式がいくつかあります。
質問1
上記の記載は、清算型遺贈なのでしょうか?
http://kanno-sogo.com/blog-souzokumondai/izou%ef%bc%91/
質問2
清算型遺贈だとして、最終的に換価して分配した分配割合に応じて
株式の譲渡所得を認識するのでしょうか?
受遺者全員に譲渡税が発生するなら取得費加算の適用があることになり税金上は有利になります。
精算型遺贈の場合、法定相続人に譲渡所得税が課税されると考えられています。
遺言者としても、法定相続人に譲渡所得税を課すことを希望していないことが通常でしょうから、
遺言執行者としては、譲渡所得税を執行費用とみて、処分代金から譲渡所得税を支払う例が多いと考えられます。
・・・・上記のブログでは受遺者ではなく法定相続人に帰属するという考えがあるのでしょうか?
https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kenkyu/ronsou/85/01/index.htm
所有権基準ではない法的な「収益の享受可能性」を視点に所得の帰属を決定すべきであり、この基準に照らせば、
遺言により相続開始の時から法的に収益の享受の内容が確定し、「収益の享受可能性」を有するのは、
受遺者にほかならないから、譲渡所得は、受遺者に帰属し、受遺者が納税義務者になると考えられる。
・・・・・国税庁では、各受遺者に帰属するとあります。
質問3
各相続人でもめていないため、上場株式の市況をみて売却したいとした場合には、
仮に相続税の申告期限までに換価できていないときは分配割合が確定できないため、
相続税の申告書に割合の記載ができないため相続税が計算できないことになってしまうのでしょうか?
それとも仮にいつに換価したものとして理論値の分配額、分配割合にすることは可能でしょうか?
つまり必ずすべての銘柄を換価しないと分配額が確定しないため相続税の計算はできないということになって
しまうのでしょうか?
質問4
上記の分配割合とは、
預金は換金時ではなく、相続開始時の残高を基礎として計算するのでしょうか?
上場株式が換金時の金額を基礎とすることで合っていますでしょうか?
つまり、預金の相続開始時残高と上場株式の換金した金額の合計額をもとに
例えば4億円とすると
換価財産400,000,000
長女と次女に支払80,000,000
長女と次女以外の残額320,000,000
長女40,000,000 10.0%
次女40,000,000 10.0%
妻 1/17 18,823,529 4.7%
長男 4/17 75,294,118 18.8%
養女 3/17 56,470,588 14.1%
養子 5/17 94,117,647 23.5%
養子 4/17 75,294,118 18.8%
計400,000,000
と計算するのでしょうか?
この割合で預金と上場株式については
相続により財産を取得したとして計算したらいいということで合っていますでしょうか?
ちなみに相続税申告時に記載する分配割合について
小数点以下の端数を好きに調整すると贈与などの問題が生じますでしょうか?
厳密に割合を分数などで計算したもの
で表示しないといけないでしょうか?
(例えば4.7%を5%など)
質問5
相続税評価額としては預金+上場株式は4.4億円
換価したとしたら4億円です。
換価代金が相続税評価以下になっていますが、何か注意することはありますでしょうか?
反対に換価代金が相続税評価以上になっていたときは、何か注意することはありますでしょうか?
単純に分配される金額が換価金額により多くなるか少なくなるだけで、特に問題になることは
ないものでしょうか?
ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。
1 ご質問①〜清算型遺贈か否か
>遺言者は、遺言者の有する現金及び金融資産の全部を遺言執行者において換価し、
>その換価金の中から、遺言者の長女及び遺言者の二女にそれぞれ金4000万円ずつ(合計
>金8000万円)
>を相続させた上、その残金を、次の者に次の割合で相続させる。
>妻に対して1/17
>長男に対して4/17
>養女(長男の嫁)に対して3/17
>養子(長男の子)に対して5/17
>養子(長男の孫)に対して4/17
>金融資産に上場株式がいくつかあります。
>質問1
>上記の記載は、清算型遺贈なのでしょうか?
清算型遺贈か否かという点ですが、
まず、本件は、遺言で財産を取得する者が上記を見る限り、
法定相続人となると思われますし、
相続人に対する換価分割型の相続させる旨の遺言
ですので、「遺贈」ではありません。
また、「清算型」というのは法律用語ではなく、俗称ですが、
一般的に相続債務の清算も併せた上で、
その後、受遺者への分配額が確定するものを指すものですので、
一般的にいうところの「清算型」でもありません。
ただし、上記遺言が、割合のみではなく、確定金額で
記載されている関係で、
通常の割合を示した換価分割であれば、
その割合に応じて、相続開始時に財産が共有となり、その対価を割合に
応じて取得するケースとは異なり、
結局のところ、換価金額(売却金額)が確定しない限り、取得金額も
わからないため、相続開始時に財産が共有となる通常のものとは、
異なる性質を持つものだと思います。
そういう意味で、先生がご懸念されているいわゆる
清算型遺贈と同じような問題意識が生じます。
2 ご質問②〜譲渡所得の帰属について
>精算型遺贈の場合、法定相続人に譲渡所得税が課税されると考えられています。
>遺言者としても、法定相続人に譲渡所得税を課すことを希望していないことが通常でしょうか
>ら、
>遺言執行者としては、譲渡所得税を執行費用とみて、処分代金から譲渡所得税を支払う例が多
>いと考えられます。
>・・・・上記のブログでは受遺者ではなく法定相続人に帰属するという考えがあるのでしょ
>うか?
あくまでも、上記のように相続開始時に所有権の帰属が確定しない
こととなりますので、所有者を基準にすれば、法定相続人に帰属する
という考えも理論上はあり得ますね。
ただ、
>所有権基準ではない法的な「収益の享受可能性」を視点に所得の帰属を決定すべきであり、
>この基準に照らせば、
>遺言により相続開始の時から法的に収益の享受の内容が確定し、「収益の享受可能性」を有
>するのは、
>受遺者にほかならないから、譲渡所得は、受遺者に帰属し、受遺者が納税義務者になると考
>えられる。
>・・・・・国税庁では、各受遺者に帰属するとあります。
あくまでも法定相続分で一旦、帰属する所有権は、制限的な特殊な所有権
(所有権の最も高い機能である財産の処分の自由を許されないもの)
に過ぎないことからしても、私も国税庁の指摘のとおり、
税法上の評価としては、各取得者に法的に利益が帰属するものですし、
各取得者に譲渡所得課税が発生するというように考えるのが適切なのではないかと考えます。
3 ご質問③〜申告期限までに換価できない場合
>各相続人でもめていないため、上場株式の市況をみて売却したいとした場合には、
>仮に相続税の申告期限までに換価できていないときは分配割合が確定できないため、
>相続税の申告書に割合の記載ができないため相続税が計算できないことになってしまうので
>しょうか?
>それとも仮にいつに換価したものとして理論値の分配額、分配割合にすることは可能でしょ
>うか?
>つまり必ずすべての銘柄を換価しないと分配額が確定しないため相続税の計算はできないとい
>うことになってしまうのでしょうか?
遺言執行者は、基本的には、速やかに換価して、遺言を
実現するのが義務ですので、法がこの事態を想定しているか
というとしていないのではないかと思いますが、現実論としては
ありえるところですね。
その場合、理論上は、結局のところ上記財産の部分は
未分割状態ということとなるでしょうから、
未分割申告をするということになるのではないかと思います。
(その分割割合確定後に更正の請求及び修正申告等)
ただ、そもそも遺言執行者の立場として、市況を見て、
相続税の申告期限までに確定させないことは想定されて
いないですし、
ご指摘のとおり、一部の財産のみ換価している場合に
どうするのかという問題は生じますので、形式的にこのように
判断されるかが確実かというとそうではないように思います。
遺言の趣旨解釈等から異なる判断をされるということも
ありえるところでしょう。
遺言執行者が誰なのかという問題はありますが、
仮に税理士の先生がその立場にある場合には、税務上の
疑義も生じますので、遺言執行者の本来の職務の履行として、
淡々と換価し、相続税申告までには済ませておくという
ところが無難な対応かとは思います。
4 ご質問④〜割合の計算について
>上記の分配割合とは、
>預金は換金時ではなく、相続開始時の残高を基礎として計算するのでしょうか?
>上場株式が換金時の金額を基礎とすることで合っていますでしょうか?
上記遺言が、「現金」となっているので、預金債権が含まれるか
は一応、疑義がありますが、一般的な遺言の解釈としては含まれる
と考えて良いでしょう。
その場合、「割合」を算出するという意味では、上記遺言に
従えば、厳密には、預金も換金時を基準として、割合を確定させるという
こととなるでしょう。
>ちなみに相続税申告時に記載する分配割合について
>小数点以下の端数を好きに調整すると贈与などの問題が生じますでしょうか?
>厳密に割合を分数などで計算したもので表示しないといけないでしょうか?
>(例えば4.7%を5%など)
理論上は、調整すれば贈与という問題も生じるのでしょうが、
理論は別として、実務上は、遺言と異なる遺産分割に贈与税の課税が
されているかというとされていない点も併せて考えると、
特に問題とされないのではないかなとは思います。
もちろん、厳密にやる方が正確な申告ということにはなりますが。
5 ご質問⑤〜換価代金が相続税評価よりも低くなった場合
>相続税評価額としては預金+上場株式は4.4億円
>換価したとしたら4億円です。
>換価代金が相続税評価以下になっていますが、何か注意することはありますでしょうか?
>反対に換価代金が相続税評価以上になっていたときは、何か注意することはありますでしょ
>うか?
>単純に分配される金額が換価金額により多くなるか少なくなるだけで、特に問題になること
>はないものでしょうか?
特段問題はないように思います。
よろしくお願い申し上げます。
追加質問、お願いします。
各人の譲渡所得の申告の手間と
現状、もめてはいないため一部、遺産分割協議書を作成しようと
思いますが、下記の考えでよろしいでしょうか?
前提で、すべて相続人であり、相続人以外への遺贈はないです。
質問1
まとめて遺言執行者である相続人養子(長男の孫)に
預金と有価証券をすべて相続し、代償金で他の相続人に支払うという
遺産分割協議書を作成しようと思いますが、
この対応で、株式の譲渡所得は相続人養子(長男の孫)のみの
譲渡申告で事足りるようになりますでしょうか?
不動産は遺言書によりすでに相続登記済みで、お金の換価による分配は
長女と次女に4,000万円ずつ支払済みですが、
それ以外の本家での分配はまだしていない状態です。
上場有価証券の換価は最近、すべてできました。
質問2
遺産分割協議に一部するのであるなら、代償金は
長女、次女へ4,000万円ずつは変えませんが、
長女、次女以外の本家の配分を遺言書通りでない、任意の金額にて
遺産分割協議をしても問題はないでしょうか?
追加でのご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。
1 ご質問①〜譲渡申告との関係
>まとめて遺言執行者である相続人養子(長男の孫)に
>預金と有価証券をすべて相続し、代償金で他の相続人に支払うという
>遺産分割協議書を作成しようと思いますが、
>この対応で、株式の譲渡所得は相続人養子(長男の孫)のみの
>譲渡申告で事足りるようになりますでしょうか?
そうですね。
遺言と異なる遺産分割も可能ですので、
有価証券について代償分割とすると、そのようになる
と思います。
一点気になっているのが、
>不動産は遺言書によりすでに相続登記済みで、お金の換価による分配は
>長女と次女に4,000万円ずつ支払済みですが、
>それ以外の本家での分配はまだしていない状態です。
遺言と異なる遺産分割は、遺産分割のやり直しと異なり、
理論上は別として、課税実務上は、贈与税等の課税はされていません。
(相続させる旨の遺言は確定的な財産の帰属が確定するため、
その後の遺産分割は贈与や交換等ではないかという論理上の疑義は
ありますが。)
なお、遺贈については以下があります。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4176.htm
今回は、遺言を一旦、認容しているような行為(不動産の登記、
有価証券の換価、4000万円の支払い)の後に、遺産分割をしており、
実質的な遺産分割のやり直しに近いと判断されるおそれもあるかと
少々懸念しています。
ただ、今回は、譲渡申告自体は長男の孫が全額について
行うことになるでしょうし、分配割合も大きく異なる
ようにするという趣旨ではないとも思うので、
国も何か言ってくることもないようにも思います。
この辺りは、
>各人の譲渡所得の申告の手間
とリスクを勘案し判断していくこととなるかと
思います。
2 ご質問②〜本家への分配金額について
>遺産分割協議に一部するのであるなら、代償金は
>長女、次女へ4,000万円ずつは変えませんが、
>長女、次女以外の本家の配分を遺言書通りでない、任意の金額にて
>遺産分割協議をしても問題はないでしょうか?
上記のとおり、遺言と異なる遺産分割についても
課税はされていませんので、原則的には問題がないように思いますが、
上記のとおり、今回は遺言を認めるような行為を
既に行っているので、認定評価上、疑義があるようには思います。
ただ、実際に遺産分割のやり直しのように、
課税するかというと、
特に申告前の調整であれば、
実務上そこまではしてこないとは思います。
よろしくお願い申し上げます。
細かいところですみません、
追加で教えてください。
預金と上場株式、代償分割として
遺産分割協議書を作成することにしました。
養子(長男の孫)が預金と上場株式を相続し、
その代償として、各相続人にお金を渡すという内容です。
そこで質問です。
不動産とその他の財産は遺言書通り、
預金と上場株式と代償分割は遺産分割協議書で相続する場合、
実務上、何か追加で作成する資料(放棄したことが分かるもの)はあるのでしょうか?
遺産分割協議書を作成することで、一部、遺言書の放棄ということで
特に何も作成する必要はないのでしょうか?
対税務署には、遺言書と遺産分割協議書の提出をすればいいだけでしょうか?
ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。
1 ご質問
>不動産とその他の財産は遺言書通り、
>預金と上場株式と代償分割は遺産分割協議書で相続する場合、
>実務上、何か追加で作成する資料(放棄したことが分かるもの)はあるのでしょうか?
>遺産分割協議書を作成することで、一部、遺言書の放棄ということで
>特に何も作成する必要はないのでしょうか?
2 回答
一般的には、
①遺産分割協議書に遺言どおりの財産については、
遺言と同様の内容で記載する方法
②遺産分割協議書の中に、遺産分割協議書に記載されていない財産は、
遺言書記載のとおりである旨記載する方法
がとられることが多いです。
(遺言書と異なる一部の遺産分割の場合、
既存の遺言書をどのように扱うのか疑義がでる
ためです。)
なお、特定遺贈の場合と異なり、相続させる旨の遺言
の場合、放棄という概念は相続放棄をする以外ありません。
>対税務署には、遺言書と遺産分割協議書の提出をすればいいだけでしょうか?
①であれば、遺産分割協議書
②であれば、遺産分割協議書と遺言書
を提出すれば良いでしょう。
よろしくお願い申し上げます。
まず、平成3年判決の判示するように、「相続させる」旨の遺言に、
相続による承継を当該受益相続人の意思表示にかからせた特段の事情がある場合には、
当該受益相続人は、相続による承継をしない旨意思表示をして、
当該財産を遺産分割協議の対象に含めることができる。この場合には、
他の共同相続人にその旨の意思表示をすることが必要となる。
問題は、上記のような特段の事情がない場合である。この問題に関して、
遺贈の場合には放棄(民法第986条)が認められていることや、
権利の放棄は原則として自由であることなどを理由に、民法第986条に準じて遺言の利益を放棄することを認める見解もある。
しかしながら、裁判例においては、遺言の利益の放棄を認めない旨判断されている。
この問題を取り扱った裁判例として、東京高決平成21年12月18日判タ1330-203がある。
東京高決の事案は、遺産分割審判の審理中に、
不動産を「相続させる」旨の遺言の受益相続人が遺言の利益を放棄する旨主張したというものであるが、
東京高決は、遺言の利益を放棄する旨を主張するだけでは、当該不動産は遺産分割の対象となるものではない旨判断している。
このことは、相続させる旨の遺言の受益相続人が、
対象となった相続財産の承継を希望しない場合には、たとえ他の相続財産の相続を希望していたとしても、
これを諦めて相続放棄するか否かの選択を迫られることを意味する。
もっとも、相続させる旨の遺言がある場合であっても、共同相続人全員の合意で、
遺言と異なる内容の遺産分割協議を行うことまで否定されてはいない。
上記のように、共同相続人全員の合意があれば、遺言書の一部を放棄して、その部分のみを
遺産分割協議書で分割ができるということで、合っていますでしょうか?
つまり、問題はないということでしょうか?
(先生の言う通り、遺産分割協議書の中に、遺産分割協議書に記載されていない財産は、
遺言書記載のとおりである旨記載したいと思います)
遺言実務において、相続させる旨の遺言は、比較的多くみられます。
もっとも、相続させる旨の遺言による受益相続人が、特定の財産のみ放棄したいという場合、
上記裁判例によりますと、自己の意思表示のみによっては当該遺言の利益を放棄することは認められません。
したがって、こうしたニーズがある場合には、相続人全員で合意する必要がありますし、
そのような合意形成が難しい場合には、相続放棄することも検討する必要があります。
相続させる旨の遺言により相続財産を承継した相続人は、遺言の利益を放棄することができないとされた事例【東京高決平成21年12月18日】
ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。
1 ご質問①〜民事上の話
>上記のように、共同相続人全員の合意があれば、遺言書の一部を放棄して、その部分のみを
>遺産分割協議書で分割ができるということで、合っていますでしょうか?
>つまり、問題はないということでしょうか?
そうですね。放棄はできませんが、
相続人全員で合意をすれば、問題ありません。
(遺言執行者がいる場合には、執行者の同意も必要です)
ただし、民事上は、厳密にこれを遺産分割と見るのか、
それとも遺産分割と別途の合意(変更部分の贈与・交換等)
と見るのかについては、明らかにはされていません。
(民事上は誰の財産であるのかさえ明確になれば紛争は
解決しますので。)
理論上は、放棄ができない以上、後者である
と考えるのが整合的ではあります。
2 ご質問②〜税務上の話
相続させる旨の遺言は、放棄もできないことから、
相続させる旨の遺言と異なる遺産分割は、
理論上は、既に特定財産の相続させる旨の遺言で、
財産帰属が確定した財産をさらに移転させる
ということになるため、遺産分割のやり直しのように、
別途贈与税等の課税がされるのかという点が問題となります。
なお、
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/sozoku/14/03.htm
こちらも、包括遺贈の前提であり、相続させる旨の
遺言ではありません。
ただ、理論面の問題がありますが、
現状の税務実務では、この点については、相続の問題として、
贈与税や譲渡所得課税等の課税はされていません。
したがって、先生のご想定でよいと存じます。
よろしくお願い申し上げます。