税理士法人で、本店と支店があります。もともと別々の個人税理士が一緒に税理士法人を作りました。代表社員もそれぞれの税理士が二人代表で登記及び実務も行なっております。
ある日、支店の代表社員でない社員税理士が顧問先から1千万円の広告費を口頭で確認して決算仕訳で計上しました。後日税務調査で架空経費だった事が判明しました。その後昨年春に、社員税理士は真正なる決算書の作成業務違反で国税局に調査を受けました。その後昨年秋頃支店の代表社員と本店の代表社員二人も国税局から事情聴取を受けました。支店の代表社員のことはおいて、本店の代表社員には顧問先調査は何ら問題がなく終わったと支店社員税理士から報告があった。しかし突如国税局から電話があり社員税理士のした事が判明した。直ぐに社員税理士は弁護士を入れて税理士法人を脱退することとなりその状況や真実が確認出来ない状態となった。国税局の事情聴取で本店の管理は本店代表社員がきちんと行なっており問題が無かった。
本店と支店の代表社員は2、3カ月ごとにお互いの事務所について報告をし合っていた。
その当時の支店の代表社員は昨年秋には退社しておりその当時の事情が本店代表社員には説明が無い。しかし予想では社員税理士からは税務調査のことは聞いていても、架空経費の計上については聞いていないと思います。
このような場合には、本店代表社員税理士には責任を問われますか?
昨年秋の事情聴取時には、本店をこれだけきちんと管理している事はすごいと評価されて、本店と支店の実務の権限がそれぞれの代表社員にある事からも行政罰は無いかも知れないと言われたが確実ではありません。
本店代表社員に行政罰はありますか?また、有るか無いかを確かめる方法はありますか?
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。
1 ご質問
>このような場合には、本店代表社員税理士には責任を問われますか?
>昨年秋の事情聴取時には、本店をこれだけきちんと管理している事はすごいと評価されて、
>本店と支店の実務の権限がそれぞれの代表社員にある事からも行政罰は無いかも知れないと
>言われたが確実ではありません。
>本店代表社員に行政罰はありますか?また、有るか無いかを確かめる方法はありますか?
2 回答
監督義務違反について、本店の代表社員
及び税理士法人自体が懲戒対象とされるかについては、
事実認定と評価の問題+財務大臣の裁量事項であること
から、「確実」なことは誰にもわからないというのが実際となります。
支店といっても、あくまでも税理士法人の行為になりますので、
代表社員含めて責任を問われるということがないわけでは
ありません。
(また、社員税理士の行為の場合、その定款内容によっては、
業務執行権を持っていたとなると、通常の使用人の場合と
異なり、監督義務違反ではなく、その行為自体を根拠に税理士法人
が懲戒処分されることもあり得ます。)
いただいた事情のみでは判断しかねますが、
私の個人的な経験からすると支店が現状どのような
監督体制にあるのか等(支店代表社員がいなくなり、
締めているのか)が、意外に重要で、
今後、上記のような事態が生じることがない体制を
構築していることをアピールできれば、懲戒までは
されない可能性も高いかと思います。
>また、有るか無いかを確かめる方法はありますか?
処分がされるかされないかという場面では、
公的に確実にわかる方法はありません。
ただ、経験上、懲戒にならずに終了の場合には、
口頭ベースになりますが、教えてくれるケースが多いかと思います。
(または行政指導に止まる場合には、今後の指導・注意事項について
書面が来ることもありますので、そちらで判断できるケースもあります。)
あとは、話が進むタイミングで担当専門官等と
話をすれば、大まかに感触は掴むことはできるか
とは思います。
よろしくお願い申し上げます。
税理士法人は本年3月末で解散をしました。
その後別住所で同じ名前の税理士法人を本店代表税理士と前の税理士法人本店で勤務していた別税理士とで立ち上げました。解散させることで行政罰をなくすためです。
他に本店代表税理士に行政罰がない様にする為のいい方法はないでしょうか?
>税理士法人は本年3月末で解散をしました。
という状況ですと、
以前の税理士法人については、対応することが
ないのですが、
実質同一の税理士法人で、現状しっかりと
管理されていることをアピールするという
方法になるかとは存じます。
なお、会員様におかれましては、
Zoom等での個別のご相談も無料で対応
しておりますので、より詳細なアドバイス等は
そちらをご利用ください。
よろしくお願い申し上げます。