民法 税理士法

税理士と行政書士が行える社労士業務

弁護士法人ピクト法律事務所
代表弁護士 永吉 啓一郎様

いつもお世話になっております。
ご質問がありますので、ご回答をお願い致します。

質問
税理士が行える社会保険義務の根拠と業務範囲をご教示くださいませ。

以上、よろしくお願い致します。

弁護士法人ピクト法律事務所
代表弁護士 永吉 啓一郎様

いつもお世話になっております。
ご質問がありますので、ご回答をお願い致します。

質問
①行政書士が行える社会保険義務の根拠と業務範囲をご教示くださいませ。

②事実の基づかない(根拠のない)ニュースを業界新聞に掲載されてしまいました。この場合において業界新聞社には、謝罪広告(新聞社は非を認めている)を要求しておりますが、どのような文面で要請すべきでしょうかご教授下さい。

なお、4月14日の12時30分頃にもご質問させていただいておりますのでそちらと併せてご回答いただけると助かります。

以上、よろしくお願い致します。

●●先生

ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。

昨日(4月14日)の12:30及び14:40の2通の
メールに対して回答します。

なお、具体的な業務の指定がないため、
社会保険業務=社労士の独占業務
という前提で回答します。

もし、上記以上に特段に気になっている
業務がございましたら、業務内容を具体的に
特定した上で、ご質問ください。

また、会員様の無料個別相談を利用いただく
形でも構いません。

1 ご質問①〜税理士が行える社会保険業務について

>税理士が行える社会保険義務の根拠と業務範囲をご教示くださいませ。

具体的な業務の指定がないため、
社会保険業務=社労士の独占業務
という前提で回答します。

税理士は、「租税債務の確定に必要な事務」
の範囲で行うことができると解されています。

これは税理士法2条2項の付随業務として、税理士が
どこまでの社労士の独占業務を行うことができるのかという
問題は、法令上明らかでなく、実務上は、
平成14年に全国社労士連と日税連が確認した覚書を前提に
解釈されています。

ですので、法律上、この「租税債務の確定に必要な事務」
に対して、明確な規定があるわけではないですが、

あくまでも「確定に必要な事務」となりますので、
租税債務の「成立」に必要な事務ではない点は注意が必要です。

以前、他の先生からも同趣旨のご質問いただいております([law-sodankai 1397])
ので、そちらの回答を末尾につけますので詳細をご確認ください。

2 ご質問②〜行政書士が行える社会保険業務について

>行政書士が行える社会保険義務の根拠と業務範囲をご教示くださいませ。

社労士と行政書士の業際の問題は、
そもそも行政書士の業務分野だったものが
社労士資格が創設されたため、いろいろ法改正が
入り、それに合わせて、業際問題も変化しています。

結論としては、
昭和55年8月末日の時点で行政書士であり、
そのまま継続して行政書士である場合に限り、
社会保険労務士法第2条1項1号及び2号に規定された
労働・社会保険関係の「書類作成」はできますが、
第2条1項1号の2に規定された「提出代行」は
できないという建付けになっています。

つまり、上記の時点より後に行政書士となっている
ケースでは、社労士の独占業務を行うことはできません。

3 ご質問③〜書面での要求について

実際の掲載記事を見ていないため、
個別具体的にはわかりませんが、

一般的に謝罪広告を求める根拠は、
名誉毀損(民法723条)に基づくものと考えられます。

>事実の基づかない(根拠のない)ニュース

ということで、事実の摘示(評価、意見等ではない)
についての名誉毀損なのかと思われます。

その場合、

①請求する者の社会的評価を低下させたこと
②摘示された事実が真実ではないこと
③謝罪広告がなければ、名誉が回復されないこと

を具体的に記載して、内容証明等で送る方法が考えられます。
書面のタイトルは、「要求書」や「謝罪広告請求書」等なんでも
構いません。

なお、裁判になった際に、謝罪広告が認め
られるか否かにはより細かい要件が必要ですが、
先方に対する反論で主張されるものになりますので、

現実点で、裁判手続き等ではなく書面を送る
ということでしたら、上記3つを記載して送る形が
良いと思います。

個別的な事情等もありますので、こちらも必要が
あれば、無料の個別相談をご利用ください。

よろしくお願い申し上げます。

==============以下、過去のご相談の引用==============
https://zeirishi-law.jp/qa/2860