不動産 民法 借地借家法

未成年者が貸主の賃貸借契約書

永吉先生いつもありがとうございます。
●●です。

遺言にて、未成年である孫が遺贈により賃貸不動産を相続したとします。

未成年者の孫の親は被相続人の相続人の子です。

不動産を賃貸する際に作成する賃貸借契約書は一般的には、どのように
対応することが多いのでしょうか?

未成年者は法律行為ができないため、
法定代理人である両親が賃貸借契約書に代わりに記載するものでしょうか?
その際の具体的な記載として
貸主 ****の法定代理人父******、母******と記載するのでしょうか?
また
入金先は未成年者の口座でなくて法定代理人の父口座(後日、精算はするという前
提)
の記載でもいいのでしょうか?

賃貸借契約書の貸主の記載方法と振込先の記載について教えてください。
相談者はできれば、未成年者の名前をあまりだしたくないとは言っています。

民法第5条第1項(未成年者の法律行為)

参考
借主が未成年者の場合の注意点
https://theredocs.com/pm/rent/miseinen

●●先生

ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。

1 ご質問①~未成年者がオーナーの賃貸借契約名義について

>未成年者は法律行為ができないため、
>法定代理人である両親が賃貸借契約書に代わりに記載するものでしょうか?
>その際の具体的な記載として
>貸主 ****の法定代理人父******、母******と記載するのでしょうか?

そうですね。
そのような記載になります。

>相談者はできれば、未成年者の名前をあまりだしたくないとは言っています。

宅建事業者が間に入る場合には、登記情報等(所有者含む)を
重要事項説明しなくてはならないため、名前は出てしまいますが、

そうではない場合には、
未成年者が、株式会社等に一括で賃貸等をし、
貸主(株式会社)として、転貸するという方法は存在します。
(未成年者が株式会社ではなく、親に貸す方法ですと本来は、
厳密には利益相反等の関係があり無効となるリスクが
高いですが、賃借人が無知の場合も多く、親が勝手にやっている
というケースも散見されます。)

ただ、契約書に名前を出して、問題となるような賃借人であれば、
そもそも建物の登記簿を取得することも多いでしょうし、
上記の転貸の方法で、所有者が異なることが発覚するとトラブルに
なりやすいということもあるでしょうから、

>相談者はできれば、未成年者の名前をあまりだしたくないとは言っています。

という理由のみだとすると、そこまでする必要はないようには思います。

2 ご質問②~入金口座について

>入金先は未成年者の口座でなくて法定代理人の父口座
>(後日、精算はするという前提)
>の記載でもいいのでしょうか?

そうですね。こちらは問題ないかと思います。
集金代行的な建て付けです。

よろしくお願い申し上げます。