この相続分は民法900条で定められた相続分ということで合っていますでしょうか?
具体例として相続人は長男と次男とします。
養子がいなければ1/2ずつなのを
長男の家族4人をすべて養子縁組をすると
長男家族5/6、次男は1/6の相続分に民法上はなるかと理解しています。
そうするともめそうなことが分かっていると、限りなく養子縁組をすると民法上は
数の制限がないため、もめることを想定した場合に、本家から見ると、
養子縁組を本家系で複数人していくと本家以外の相続人に渡すべき相続分が減少して
いき
ますが、養子縁組時に養親の意思能力があることを前提で養子縁組無効の訴えが
将来的にはないという前提において何か問題はあるのでしょうか?
多くの人数を養子縁組することは社会通念上、タブーなのでしょうか?
>遺言書がない状態で遺産分割にもめているときの
>相続分について教えてください。
>この相続分は民法900条で定められた相続分ということで合っていますでしょうか?
はい。遺言による修正等が
ないのであれば、法定相続分となります。
2 ご質問②〜一方の親族を養子にすることについて
>そうするともめそうなことが分かっていると、
>限りなく養子縁組をすると民法上は
>数の制限がないため、もめることを想定した場合に、
>本家から見ると、養子縁組を本家系で複数人していくと
>本家以外の相続人に渡すべき相続分が減少していきますが、
>養子縁組時に養親の意思能力があることを前提で養子縁組無効の訴えが
>将来的にはないという前提において何か問題はあるのでしょうか?
養親に当たる人物に、
意思能力がある場合でも、
縁組をする意思を欠く場合には無効
となります。
縁組をする意思としては、
・縁組の届出をする意思(届出意思)
・当事者に実際に養親子関係を形成する意思(実体的意思)
の2つの要素が必要とされています。
>本家以外の相続人に渡すべき相続分
を減少させることを目的とする
養子縁組は、上記の実体的意思を欠くもの
として、無効となるとも思われます。
しかし、このような目的がある
というだけではなく、
親子としての精神的つながりを
作る意思もあると評価できる場合等(目的が並存する場合)には、
実体的意思があるとされます(最高裁昭和38年12月20日等)。
そして、実体的意思を欠くことについては、
無効を主張する者が証明責任を負うことに
なります。
過去の裁判例等を見ると、
「親子としての人間関係構築の意思がまったくない」
というレベルであることを無効を主張する者が立証して
初めて無効という判断がされているようには、思います。
(最高裁昭和23年12月23日、大阪高裁平成21年5月15日等)
結局はケースバイケースの判断という
ことになります。
>具体例として相続人は長男と次男とします。
>養子がいなければ1/2ずつなのを
>長男の家族4人をすべて養子縁組をすると
>長男家族5/6、次男は1/6の相続分に民法上はなるかと理解しています。
つまり、
長男の家族4人を養子にする必要があるのかや
養親となる者の心情等から、この養子縁組が
本家以外の相続人に渡すべき相続分を減少させることのみを
目的としており、
「親子としての人間関係構築の意思がまったくない」
というレベルの認定をされるか否かです。
もちろんその他の事情によりますが、
4人も養子として人間関係構築の意思があるのか
といわれると疑問もありますので、無効とされる
可能性は高まるかとは思います。
>多くの人数を養子縁組することは社会通念上、タブーなのでしょうか?
社会通念上タブーというよりは、
長男サイドを機械的に4人養子にする
ということであれば、次男の法定相続分を減少する目的
のみであり、「親子としての人間関係構築の意思がまったくない」
とされる可能性が高まるということかと思います。
最後は、当事者のご意思だとは思いますが、
何れにしても、
このような養子制度の利用は、
本来の目的とは離れるものですし、
それだけ争いの火種になりやすいということは、
間違いなくなりますので、
あまりおすすめできる方法ではないかと
思います。
よろしくお願い申し上げます。