同族法人で繰越欠損金が切り捨てられる金額がある場合に、
その欠損金額の範囲内で役員借入金の一部を債権放棄通知書を作成して、
法人で債務免除益を計上したいとします。
質問1
第三者対抗として、確定日付や内容証明は必須なのでしょうか?
確定日付のある証書―内容証明郵便または公証人役場で確定日付印
債務者以外の第三者に対する対抗要件は、上述したとおり、次のどちらか一つが行われることです。
確定日付のある証書による譲渡人の債務者に対する通知
確定日付のある証書による債務者の承諾
https://naiyoshomei.k-solution.info/2007/03/_1_584.html
質問2
ひな型について何か誤りがあれば教えてください。
債権放棄通知書
私は、貴社に対し、本日現在、貸付金 金******円を有しております
が、そのうち、金*****円を、本書面をもって放棄致します。
平成**年**月**日
住所 *********
債務者 会社名 *****
代表取締役 ****** 御中
住所 *************
債権者 ******
質問3
任意に債務免除する金額を決めても問題はないでしょうか?
また、そのつど金額を決めれば、極論、毎年しても問題はないでしょうか?
議事録は不要なのでしょうか?
>同族法人で繰越欠損金が切り捨てられる金額がある場合に、
>その欠損金額の範囲内で役員借入金の一部を債権放棄通知書を作成して、
>法人で債務免除益を計上したいとします。
>第三者対抗として、確定日付や内容証明は必須なのでしょうか?
こちらについては、債務免除の場合には不要です。
この第三者対抗要件とは、債権譲渡において
複数人に譲渡をした債権者がいる場合、
誰が優先するのかという点を決するためのもの
ですので、
債権を放棄するという債務免除の場面では
不要となります。
2 ご質問②〜債権放棄通知書の記載について
御記載いただいたものでも、誤りでは
ないですし、問題はないかと思いますが、
どの債権を放棄するかを特定するために、
通常は放棄する債権の発生日付なども入れます。
「私は、貴社に対し、本日現在、
平成○○年○月○日付及び平成××年×月×日付の
金銭消費貸借契約に基づき貸付金 金******円のうち」
そのうえで、上述の方法で明確にした債権のうち、
どの部分の債権を放棄するのかを特定します。
例えば
「平成○○年〇月○日付の契約に基づく金*****円を、
本書面をもって放棄致します。」
というような形です。
仮に1度の契約のうちの1部の額ということでしたら、
「平成○○年〇月○日付の契約に基づく金*****円のうち
金*****円」
というような表記になります。
発生原因が明らかであれば、先生の
御記載いただいた内容でも特に問題はないかと
思います。
3 ご質問③〜放棄の金額について
>任意に債務免除する金額を決めても問題はないでしょうか?
>また、そのつど金額を決めれば、極論、毎年しても問題はないでしょうか?
>議事録は不要なのでしょうか?
そうですね。法律上は、
債権放棄については、あくまでも債権者が放棄の額を
任意に決めることができますので、
本当に債権が存在する前提であれば、
債権放棄をする金額については、債権者(役員)の
意思によることになります。
なお、債権放棄(債務免除)は、
債権者の一方的な債務者
に対する意思表示ですので、
会社側の議事録は不要です。
よろしくお願い申し上げます。