しています。
目的は将来的に分割法人の株式を売却したい。
その際にA事業部の事業は売却したくない(また売却先はA事業部には興味がない)の
で、
今のうちにA事業部の事業は別会社に移管する。
質問1
会社法の施行により
債務超過の会社でも資産超過の会社の新設分割型分割を行うことができると理解して
いますが
その理解は正しいでしょうか。
質問2
債務超過の会社同士の合併ですと無対価合併という考え方がありますが、
新設分割型分割はあくまで株式を分割法人の株主に交付しますので、
無対価分割ではない。故に税務上の無対価分割については考慮する必要がない
と理解していますが、その理解は正しいでしょうか。
私の無対価分割の理解は
こちらのURLの「無対価分割型分割に分類される例」に該当し、
新設分割型分割には無対価分割という考え方はない。
国税庁の無対価分割の解説のURL
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hojin/33/29.htm
よろしくお願いいたします。
(1)ご質問
>質問1
>会社法の施行により
>債務超過の会社でも資産超過の会社の新設分割型分割を行うことができると理解して
>いますが
>その理解は正しいでしょうか。
(2)回答
結論としては、ご理解の通り、
会社法上可能です。
ただし、下記の詐害行為取消権には
ご注意いただければと思います。
以下、理由になります。
平成17年改正前商法においては、
会社分割の効力要件として、
分割会社と承継会社の双方において、
「債務の履行の見込みがあること」が
必要と解釈されていました。
その根拠としては、会社分割の際の開示書面において、
「各会社の負担すべき債務の履行の見込みのあること」が、
必要な記載事項とされていたことから、
会社分割においては、債務の履行(返済)の見込みが
あることが、会社分割の効力発生のための
前提と解されていました。
なので、債務超過の会社では、
会社分割は難しいと言われていました。
ところが、会社法においては、
上記が改正され、会社分割の際の開示書面において、
「債務の履行の見込みに関する事項」を
記載事項とするという変更がなされました。
(782条1項、会社法施行規則183条6号、
794条1項、会社法施行規則192条7号)
この改正により、
「債務の見込みがあること」は必要なく、
「債務の履行の見込みに関する事項」が開示されれば
よくなったため、たとえ、債務の履行の見込みがなくても、
これは、会社分割の効力発生に影響はない、
という解釈が主流となりました。
したがって、債務超過でも、
会社分割を行うことが可能(効力自体に問題ない)と
言われるようになっています。
ただし、債務超過の状態で、
順調な事業のみ会社分割により移転させる
ようなケースでは、元の会社に残された債権者への
弁済の見込みが非常に低くなり、
場合によっては、詐害行為取消権により、
会社分割が取り消されるということもあり得ます。
なので、会社法制定により、
債務超過でも、会社分割を行うことは
不可能ではなくなりましたが、
詐害行為取消権などにより、
会社分割が取り消されるリスクは
残るというのが正確なところかと思います。
2 ご質問②
(1)ご質問
>質問2
>新設分割型分割はあくまで株式を分割法人の株主に交付しますので、
>無対価分割ではない。
(2)回答
こちらについては、
ご理解のとおりでよいと思います。
よろしくお願い申し上げます。