各種キャラクターを使用した場合、著作権の問題が発生するのでしょうか、
またその対処法を教えてください。
①別注商品(ex.バースデーケーキ)のデコレーションを、お客様の依頼により
立体がイメージできるキャラクター(ex.ゴジラ、ふなっしー、羊のショーン)・アニメー
ションキャラクター(ex.トトロ、ドラえもん)等を描き、造ることで仕上げて販売した場 合。
(この場合の商品価格は、通常のデコレーションケーキを基準に材料費で増減する程度の設
定です。)
②①のデコレーションについて、洋菓子店サイドから、お望みのキャラクターで仕上げるこ
とができると、対面でお客様にお知らせした場合。
③②を店内ポスターにて案内した場合。
④①のように、依頼があればキャラクターをデコレーションすることをホームページ等でお
知らせした場合。
⑤①により購入されたお客様が、個人的にネット上にアップされた画像にその商品が写った 場合。
申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
(1)ご質問①~キャラクターのデコレーションケーキを製造すること~
>①別注商品(ex.バースデーケーキ)のデコレーションを、お客様の依頼により
> 立体がイメージできるキャラクター(ex.ゴジラ、ふなっしー、羊のショーン)・アニメー
> ションキャラクター(ex.トトロ、ドラえもん)等を描き、造ることで仕上げて販売した場合。
法的には、著作権侵害となり、著作権者(または管理会社)
から、損害賠償請求や差止請求をされる可能性があります。
ただ、現状、個人事業で小規模に行われる場合、
著作権者がこのような強硬なスタンスをとるか
というと、可能性としては高くはないかと思われます。
正面から適法に行うとすると、著作権者(または管理会社)
から許諾をとることが考えられますが、
行われようとしている規模からすると、
現実的ではないかと思います。
(2)ご質問②~お客さんに口頭で説明すること~
> ②①のデコレーションについて、洋菓子店サイドから、お望みのキャラクターで仕上げ
>ることができると、対面でお客様にお知らせした場合。
この行為自体は著作権侵害となるものではありません。
(3)ご質問③~ポスターによる案内~
>③②を店内ポスターにて案内した場合。
この行為自体は著作権侵害となるものではありませんが、
②に比べて、デコレーションケーキを作っていることが
著作権者に露見てしまうリスクは上がります。
(4)ご質問④~ホームページでの説明~
> ④①のように、依頼があればキャラクターをデコレーションすることをホームページ
>等でお知らせした場合。
この行為自体は著作権侵害となるものではありませんが、
③に比べて目に触れる人の数が格段に増え得るため、
デコレーションケーキを作っていることが
著作権者に露見してしまうリスクは相当上がります。
(5)ご質問⑤~お客さんによるネット上へのアップ~
> ⑤①により購入されたお客様が、個人的にネット上にアップされた画像にその商品が写った場合。
そもそも、ケーキを製造している時点で、
ご質問①のとおり、著作権侵害となります。
また、お客さんがネット上にアップし、SNSで拡散することにより、
多くの人の目に触れることになりますので、
著作権者に露見する可能性は上がることになります。
2 回答の理由
(1)ご質問①~キャラクターのデコレーションケーキを製造すること~
ア 著作権侵害の有無
キャラクターの絵やイラストは、著作権法上
保護される「著作物」にあたります。
そして、そのキャラクターの姿形を再現することは、
「複製」にあたり著作権侵害となります。
ケーキに描かれているデコレーションが、
誰が見てもそのキャラクターであるとわかるようなもの
であれば、キャラクターを無断で描いているということ
になるので「複製」にあたり、著作権侵害となります。
なお、家庭でこのようなケーキを作って食べるということであれば、
私的使用(著作権法30条)として例外的に許されますが、
これを販売するということになると、私的使用とはいえず、
法的には、著作権侵害は免れません。
イ 著作権侵害の効果
民事上は、著作権者から、
著作権侵害に基づく損害賠償請求、
侵害の差止(ケーキを作るのをやめるよう)請求、
作成したものの廃棄(ケーキの廃棄)請求
などがなされる可能性があります。
また、著作権侵害は、
刑事罰の対象にもなっています。
ウ 実際上の対応
著作権侵害にはなりますので、
上記の民事上の請求や、刑事罰の対象になっています。
ただ、個人事業で小規模に営まれる程度であれば、
実際に著作権者の目にとまり、民事上の請求等を行われる
といういうことは、実際の可能性としては低いと思われます。
ただ、著作権侵害になることは明確なので、リスクはあります。
(小規模で行っている限りは、現状では、
さすがに刑事罰にまで発展する可能性は現実的にはあまり
考えられませんが。)
正面から適法に行うためには、著作権者から
許諾をとるという方法がありますが、
行われる規模からすると、現実的ではないか
とも思います。
最終的には、
おすすめはできませんが、
このようなリスクを引き受けた上で
行うかどうかを自分の意思で決めるということになる
かと思われます。
(2)ご質問②~お客さんに口頭で説明すること~
ご質問③~ポスターによる案内~
ご質問④~お客さんによるネット上へのアップ~
「ケーキにキャラクターをデコレーションすること」が
著作権侵害になる行為なので、
このようなサービスがありますとお客さんに知らせること自体は、
著作権侵害にはなりません。
ただ、今回のデコレーションケーキの製造が
著作権者に露見する可能性が高くなる
という意味で、
②→③→④
の順に危険度は上がります。
特に④は、目に触れる人の数が②③に比較して
格段に上がりますので、危険度の高い行為といえます。
(3)ご質問⑤~お客さんによるネット上へのアップ~
そもそも、ケーキを製造している時点で、
ご質問①のとおり、著作権侵害となります。
そして、お客さんが個人的にネット上にアップし、
SNSで拡散することにより、
多くの人の目に触れることになりますので、
著作権者に露見する可能性は上がることになります。
よろしくお願い申し上げます。