親族関係
夫A 妻B 長男C 次女D
A Bともかなり高齢です。Aの財産は地方の1戸建ての自宅と土地ぐらいです
Aは遺言書を公正証書で書いており、財産はすべてBに渡すとしています
しかし、B自身も高齢のことから、B自身も遺言書を残したいと考えております
ABともに、自宅の土地家屋は次女Dの方に渡したい意向があります
その場合
①
万が一BがAより先になくなってしまった場合、すでにAが残している「財産はBへ」という
遺言の効力はなくなってしまうという認識でよいでしょうか?
②
①に備えて、Aの遺言書を改定した方がよいのか、その場合どのようにするのが一般的でしょうか
③
②にもからむかもしれませんが、Bが今回遺言書を残すにあたり(自宅をDへ)
どのように遺言を作成するのが一般的でしょうか。
結局、ABに万が一のことがあっても、Dへ自宅を渡すようにしたいのです。
そのためのAB遺言書をどのように改定または新規でのこすべきなのか
教えていただきたくお願い致します。
>① 万が一BがAより先になくなってしまった場合、すでにAが残している「財産はBへ」
>という遺言の効力はなくなってしまうという認識でよいでしょうか?
はい。
その場合、遺言の効力がなくなり、このままですと、財産は相続人の法定相続分に応じるという判断になります。
>② ①に備えて、Aの遺言書を改定した方がよいのか、その場合どのようにするのが一般的
>でしょうか
Aの遺言書を下記のように記載を改定される方法が良いかと存じます。
記載例(2項の部分が該当箇所を追加)です。
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第◯条 遺言者は、遺言者の妻B(生年月日)に遺言者の所有する
次の不動産を相続させる。
(不動産の表示 省略)
2 妻Aが遺言者より以前に死亡していたときは、前項の不動産を
遺言者の次女B(生年月日)に相続させる。
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>③ ②にもからむかもしれませんが、Bが今回遺言書を残すにあたり(自宅をDへ)
>どのように遺言を作成するのが一般的でしょうか。
Bの遺言では、下記のように残してください。
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第◯条 遺言者が、遺言者の夫A(生年月日)から、次の不動産の
所有権を相続していたときは、当該不動産を、遺言者の次女B(生年月日)
に相続させる。
(不動産の表示 省略)
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2 回答の理由
(1)ご質問①について
従来より争いがありましたが、実務上
最高裁平成23年2月22日により、
相続させる旨の遺言で相続する者が先に死亡してしまった
ケースでは、
「特段の事情がない限り・・・その効力は生じない」
とされました。
この特段の事情の証明はかなり厳しい(なかなか勝てない)
ので、下記のようにAの遺言書に明確に定めておく必要が
あります。
(2)ご質問②について
下記がAの遺言の改定記載例(2項の部分が該当箇所を追加)です。
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第◯条 遺言者は、遺言者の妻B(生年月日)に遺言者の所有する
次の不動産を相続させる。
(不動産の表示 省略)
2 妻Bが遺言者より以前に死亡していたときは、前項の不動産を
遺言者の次女D(生年月日)に相続させる。
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(3)ご質問③について
Bの遺言では、
「将来取得する予定の財産を相続させる旨の遺言」
として、下記のように規定することが一般的です。
停止条件付き遺言の一種になります。
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第◯条 遺言者が、遺言者の夫A(生年月日)から、次の不動産の
所有権を相続していたときは、当該不動産を、遺言者の次女D(生年月日)
に相続させる。
(不動産の表示 省略)
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よろしくお願い申し上げます。