民法 その他

材料の返品を拒否され、一部の仕入代金が支払われることに係る証憑書類

以下のことに関してご指摘等をいただきたく思いますのでお願い致します。

なお、下記A社の経理担当者の方は税務上の観点から下記に示します相談をなさって
きたと思いますが、以下の取引の場合、法務上の観点からその取引を証するものであれば
税務上の観点(その取引に係る損失が税務上の損金となることを証する点)においても同
様のものとなると考えております。
よって、法務上の観点からのご指摘等をいただきたく思います。

(前提)
1.A社がB社から製品の製造のために仕入れたある材料(500万円)が選定ミスでその
製品が出来ないことが判明した。

2.B社に対してその材料の返品を希望したが、B社は応じなかった。

3.交渉の結果、B社がその材料の代金の10%(50万円)は支払うということになった。
よって、残り90%(450万円)はA社にとっては損失となる。

4.A社は上記3のことを認める代わりとしてB社に対してその材料の廃棄処分をし
てもらうことを求めたところB社はその求めに応じたので、その材料をB社へ送った。

5.A社は上記3にある50万円に係る請求書を発行した。その代金は近日中に入金さ
れる予定である。

6.上記の交渉はメールで行われたため、その経緯などはすべてメールに残っている
ということである。

7.上記の取引に関しての証憑書類としてどのようなものをそろえておけばよいかと
いう旨の相談を受けた。

(質問等)
1.証憑書類としては以下のものをそろえておけばよろしいのではという旨の回答を
しました。
 ①その取引・交渉に係るメールを印刷したもの
 ②その材料の仕入れに係る原始証憑書類の写し
 ③上記50万円の請求書の控えの写し
2.上記1①②③に掲げたものを一緒に保存しておいてくださいと伝えました。

以上のことについて法務上の観点からのご意見・ご指摘等をいただきたく思いますの
でよろしく
お願い致します。

1 ご質問

> (質問等)
> 1.証憑書類としては以下のものそろえておけばよろしいのではと言う旨の回答をし
> ました。
>  ①その取引・交渉に係るメールを印刷したもの
>  ②その材料の仕入れにかかる原始証憑書類の写し
>  ③上記50万円の請求書の控えの写し
> 2.上記1①②③を一緒に保存しておいてくださいと伝えました。

> 以上のことについて法務上の観点からのご意見・ご指摘等をいただきたく思いますの
> でよろしくお願い致します。

2 回答

 現状考えられるものとしては、
 先生ご指摘のとおり、
> ①その取引・交渉に係るメールを印刷したもの
> ②その材料の仕入れにかかる原始証憑書類の写し
> ③上記50万円の請求書の控えの写し

 を残しておけばよいと考えられます。

厳密には、①の内容を見てみないとわからない部分はありますが、
取引・交渉はすべてメールで残っているとのことですので、
A社とB社との間でどのようなやりとりがなされたか、最終的にどのような合意がなされたか、
はメールで証明できると考えます。

 「法務上」という観点から言えば、
相手に対して請求を行うため、
最終的な合意の内容が明確になるような証拠を残しておくということが重要です。

弁護士が交渉をする場合、お互いに合意ができたら、
最後に必ずと言っていいほど、その内容を合意書にして、
お互いが署名・捺印しておきます。

今回も、念には念を、ということであれば、合意書の作成を行っておくことも、
選択肢としてはあり得るかとは存じますが、①〜③の証拠があるのであれば、
証明は可能であると考えられます。

よろしくお願い申し上げます。