民法 税理士法 税理士賠償責任

既に顧問契約がある顧問先との顧問契約書の締結について

マイナンバーも始動しますし、
 すでにご契約しているお客様と、
 改めて 契約書のし直しを考えていましたので
 参考にさせていただきます!

 さて、このよう場合、、
 付け加える文面などはございますか?

 契約期間は、すでに過去からあるものなので
 どのように入れるのが良いでしょうか?

 疑問に思いまして、質問させていただきました。

 どうぞよろしくお願いいたします。

以下、ご質問への回答になります。今回は、回答の便宜上、各質問ごとに回答させていただきます。

1 ご質問①~付け加える文面~
(1)ご質問
>さて、このよう場合、
>付け加える文面などはございますか?

(2)回答

 「どの契約」を「どのように変更するか」が明確になる形で書面にしてもらえればよく、形式について特に制限はありませんが、
 実務上、①変更する部分が少ない場合と②変更する部分が多い場合に応じて、以下のような合意書(契約書)にすることが多いです。

ア ①変更する部分が少ない場合の文例

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【契約書のタイトル】
契約の変更に関する合意書(覚書)

【頭書】
 甲及び乙は、甲乙間における平成○年○月○日(※もとの契約書の契約日を入れてください。)付○○契約書(※もとの契約書のタイトルを入れてください。)に基づく契約を以下のとおり変更することを合意する。
※「平成○年○月○日付○○契約書」の部分は、「別紙契約書」として、もとの契約書のコピーを末尾にとじておく方法でもよいです。

【本文】※もとの契約書の変更する部分のみ、どのように変更するかを記載します。
(例)
・第○条を、「○○」(※変更後の契約の文言)と変更する。
・第○条の「○○」(※もとの契約書の文言)の部分を、「○○」(※変更後の契約の文言)と変更する。

【その他の部分】
通常の契約書と同様、契約締結日を記載し、甲・乙の記名(署名)・捺印をします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ①は、変更部分のみ記載しますので、どの部分を変更したかが明確になるというメリットがあります。
 一方、変更部分が多くなると、変更後の契約が結局どのような内容なのかが、わかりづらくなるというデメリットがあります。

イ ②変更する部分が多い場合の文例

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【契約書のタイトル】
「変更契約書」や「顧問契約書(変更)」など、変更後の契約書であることがわかるようなタイトルにします。

【頭書】
 甲及び乙は、甲乙間における平成○年○月○日(※もとの契約書の契約日を入れてください。)付○○契約書(※もとの契約書のタイトルを入れてください。)に基づく契約について、本契約書の締結時点より以下の内容に変更・更新することを合意する。
※「平成○年○月○日付○○契約書」の部分は、「別紙契約書」として、もとの契約書のコピーを末尾にとじておく方法でもよいです。

【本文】※変更しない部分も含めて、変更後の契約内容の全文を記載します。

第1条 ○○
第2条 ○○
・・・

【その他の部分】
通常の契約書と同様、契約締結日を記載し、甲・乙の記名(署名)・捺印をします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ②は、変更しない部分も記載するので、どこが変更になった部分かが分かりづらいというデメリットがあります。
 一方、全文を記載しますので、結局、変更後どのような契約内容になったかが、一目瞭然になるというメリットがあります。

ウ まとめ

 変更する部分が多いか少ないかに応じて、上記①②の方法のうち、わかりやすい方を選んで、合意書を作成していただければと思います。

2 ご質問②~契約期間の記載~
(1)ご質問

>契約期間は、すでに過去からあるものなので
>どのように入れるのが良いでしょうか?

(2)回答

 もとの契約期間を変更されないのであれば、期間はそのままとなります。

 その場合の記載方法ですが、

ア 上記①の変更する部分のみを記載する方法による場合
 契約期間を記載しなければ、従前の契約書のとおりとなりますので、特段、契約期間について何も記載する必要はありません。

イ 上記②の変更する部分以外も含め全文を記載する方法による場合
 こちらも、契約期間として、もとの契約書に記載されている期間を記載しておくという方法で問題はありません(従前のとおりとなります)。

 ただし、改めて契約書を締結し直す場合には、先方との関係性にもよりますが、契約書を締結し直す月の翌月1日から1年間+自動更新条項という形で記載することも多いですし、それでも問題ありません。
 結局は、合意のし直しをするということになるので、お互いが納得できれば、特に問題はありません。

 よろしくお願い申し上げます。