1.被相続人が過去に行った土地売買
2.当時の契約書は紛失
3.なぜかメインの土地のみ売買及び登記されたらしく、
その土地に隣接する私道が被相続人名義のまま残っていた
4.口座凍結で固定資産税が引落不能となり、市役所からの連絡で初めて、
この私道があることを相続人が最近知った
5.私道に隣接する土地の所有者について、相続人は面識がない
(質問)
この私道を処分する方法がありましたら、具体的に教えてください。
(補足)
被相続人は、相続人3人のうちの1人が代表を務める同族会社に対して
貸付金があり、相続放棄とはできない
ご多用のところ大変恐縮ですが、
どうぞよろしくお願い申し上げます。
>この私道を処分する方法がありましたら、具体的に教えてください。
※「処分したい=登記を外したい」という趣旨を前提に回答いたします。
まず、私道にかかる現状の所有者が、下記のいずれであるかご確認ください。
①以前土地と一緒に売買され、土地の買主が所有している(私道の登記は、何らかの理由で変更されておらず、現状の法律関係を反映していない。)
②私道は売買されておらず、所有権は被相続人に残ったまま(相続により相続人の共有となっている。)
①の場合には、買主に対し現状にあわせて登記も変更してもらうよう依頼して下さい。
②の場合には、土地の買主に私道を買ってもらう、またはもらってもらうという方法で処分するのがもっとも手っ取り早く、現実的と考えられます。それが難しい場合には、私道の所在地の自治体に寄付するという方法もあり得ます。
2 回答の理由
(1)現在の私道の所有者
まず、私道にかかる現状の所有者として、以下の2パターンが考えられます。
①以前土地と一緒に売買され、土地の買主が所有している(私道の所有権登記は、何らかの理由で変更されておらず、現状の法律関係を反映していない。)
②私道は売買されておらず、所有権は被相続人に残ったまま(相続により相続人の共有となっている。)
(2)現状の確認方法
土地の買主にコンタクトをとって、土地の売買のときに、あわせて私道も売買されたのかをご確認いただく方法があると存じます。
買主が、売買の対象となった土地(建物)上に住んでいるのであれば、直接訪問するか、手紙を送ってみればよいかと思います。
売買の対象となった土地(建物)上に住んでいないということであれば、土地の登記に買主の住所が出ているはずですので、その住所を訪ねる、または文手紙を送ってみることで、コンタクトがとれる可能性がありますので、まずはこの方法をお試し下さい。
(3)現状が①であった場合
現在、買主が私道も所有しているという状況であれば、現状にあわせて登記も変更してもらうよう、買主に依頼して下さい。
通常、現状の法律関係にあわせて登記を変更することについて、買主に不利益はないと思われますので、すんなり応じてもらえるものと思います(登記費用との関係で、難色を示される可能性はなくはありませんが。)。
(4)現状が②であった場合
私道は、相続人3人の共有となっています(相続放棄ができないとのことですので、相続手続の中で私道の所有権のみ放棄するような方法はありません。)。
処分の方法としては、土地の買主に売買、または贈与するのがもっとも手っ取り早く、現実的であると考えます。この状況で、土地の買主以外で、私道のみを欲しいという人はあまりいないと思います。
土地に隣接する私道ということであれば、現在も土地の買主が使用している可能性も高いですし、価格いかんによっては買い取ってくれる可能性もあります。また、タダでもいいから手放したいということであれば、もらってくれるのではないかと思われます。
土地の買主が売買、または贈与に応じてくれない場合には、私道の所在地の自治体に寄付するという方法も考えられます。寄付に応じてもらえるかは、その自治体の方針や土地の利用価値等によりますが、まずは、担当窓口に連絡をしてもらえばよいと思います。
よろしくお願い申し上げます。