相続 遺言

株式、公社債及び投資信託受益権について、準共有を避けるための遺言書の記載方法

メーリングリストでは初めて質問させていただきます。

■株式、公社債及び投資信託受益権についての相続開始時の解釈
分割債権として相続の開始の時に相続分により当然分割されて各相続人に帰属するか、
あるいは準共有として遺産分割の対象となるかについては、
下記のサイトのとおり、平成26年2月25日最高裁判決によれば、
準共有として遺産分割の対象となるとされるようです。
https://www.khk.co.jp/cont?id=4757

■株式、公社債及び投資信託受益権について、準共有を避けるための遺言書の記載方法
遺言書の作成に当たり、
その内容から(非上場株式はすべて子Bが相続)、
遺言執行時に遺言者と疎遠な子Aより同意を得ての円滑な相続手続が困難な場合が想定されるため、
上場株式、公社債及び投資信託受益権について、
準共有を避けるための遺言書の記載方法を検討しています。

下記のような条項で問題ないかご意見をうかがいたくお願いします。

第●条 遺言者は、国内外の金融商品取引所に上場されている株式について、各々の銘柄ごとに区分
(証券会社、銀行等の金融機関の取引口座で管理している場合は取引口座ごとに区分した上で各々の銘柄ごとに区分)し、
次の株数を、各々の相続人に相続させる。
1 子Aは8分の1の株数(1株未満の端数は切り下げ)。
2 子Bは8分の3の株数(1株未満の端数は切り下げ)。
3 配偶者Cは2分の1相当のその他の残株数。

第▲条 遺言者は、その所有する国債、地方債、社債及び投資信託受益権について、各々の銘柄ごともしくは商品ごとに区分
(証券会社、銀行等の金融機関の取引口座で管理している場合は取引口座ごとに区分した上で各々の銘柄ごともしくは商品ごとに区分)し、
次の最低取引単位の整数倍数を、各々の相続人に相続させる。
1 子Aは8分の1の最低取引単位の整数倍数(最低取引単位未満の端数は切り下げ)。
2 子Bは8分の3の最低取引単位の整数倍数(最低取引単位未満の端数は切り下げ)。
3 配偶者Cは2分の1相当のその他の残最低取引単位の整数倍数。

【留意した点】
・上場株式の単元未満株は換金可能を前提としています。
・公社債及び投資信託受益権の最低取引単位未満は換金不能を前提としています。
・株式に関しては、実務上、金融機関ごとであればよいようですが、将来の法改正、実務の変化等を考慮し、取引口座ごととしております(区分を細分化していれば支障が生じにくいと考えています)。
・株式に関しては、上記と類似の文例を書籍で確認できましたが、公社債及び投資信託受益権については書籍で確認できず、株式と同様に相続手続可能ではないかと考えています。
・実務上は、遺言執行時に支障が生じないよう、同一銘柄の株式を複数の金融機関で管理したり、公社債及び投資信託受益権の投資を避けるように遺言者に留意してもらいますが、
 遺言者が比較的若く、相続開始まで長期にわたるため、そのうち失念する可能性も高く、なるべくあらゆる局面に対応できるリスクを軽減した遺言書の文面にしておきたいと考えています。

よろしくお願い申し上げます。

1 ご質問①について

>下記のような条項で問題ないかご意見をうかがいたくお願いします。

>第●条 遺言者は、国内外の金融商品取引所に上場されている株式について、各々の銘柄
>ごとに区分
>(証券会社、銀行等の金融機関の取引口座で管理している場合は取引口座ごとに区分した
>上で各々の銘柄ごとに区分)し、
>次の株数を、各々の相続人に相続させる。
>1 子Aは8分の1の株数(1株未満の端数は切り下げ)。
>2 子Bは8分の3の株数(1株未満の端数は切り下げ)。
>3 配偶者Cは2分の1相当のその他の残株数。

 「第●条」については、特に問題ありません。

2 ご質問②について

>第▲条 遺言者は、その所有する国債、地方債、社債及び投資信託受益権について、各々
>の銘柄ごともしくは商品ごとに区分
>(証券会社、銀行等の金融機関の取引口座で管理している場合は取引口座ごとに区分した
>上で各々の銘柄ごともしくは商品ごとに区分)し、
>次の最低取引単位の整数倍数を、各々の相続人に相続させる。
>1 子Aは8分の1の最低取引単位の整数倍数(最低取引単位未満の端数は切り下げ)。
>2 子Bは8分の3の最低取引単位の整数倍数(最低取引単位未満の端数は切り下げ)。
>3 配偶者Cは2分の1相当のその他の残最低取引単位の整数倍数。

 「第▲条」について、先生のご指摘のとおり、株式と同様に、遺言による分割は可能です。
 また、分割する際、最低取引単位を基準に行うべきことについても、先生のご指摘のとおりと考えます。
 条項自体は、基本的には問題ありませんが、表現を簡潔にするため、以下のように改訂されてはいかがでしょうか。

******** 以下、改定案 **********
遺言者は、その所有する国債、地方債、社債及び投資信託受益権について、各々の銘柄ごともしくは商品ごとに区分
(証券会社、銀行等の金融機関の取引口座で管理している場合は取引口座ごとに区分した上で各々の銘柄ごともしくは商品ごとに区分)し、
次の割合により各々の相続人に相続させる。
1 子Aは8分の1(最低取引単位未満の端数は切り下げ)。
2 子Bは8分の3(最低取引単位未満の端数は切り下げ)。
3 配偶者Cは2分の1相当のその他の残最低取引単位の整数倍数。
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 よろしくお願い申し上げます。