民法 その他

売上代金の回収について

ある造園業を営む個人事業Aさんが、5万円程度なんですが、サービスをした
にもかかわらず、のらりくらりと支払を先延ばしに代金をはらっってこない
人間Bがいるとうことで、困っています。半年前の仕事です
最初は、Bを信じて、支払い延期に対応していたのですが、どうやら
最初から踏み倒すつもりの感じがするようです。

何度かが催促に自宅に行っても、結局は先延ばしで、また最近ではBが精神的にも言動がおかしくなったりしていて、
逆切れで、Bの営む会社の弁護士をだすから、弁護士通してくれだとかいう始末。なのに、次の日には、昨日はあんなことをいってすいませんとメールをしてきたり、請求先をそのBの経営する会社あてに再発行(名目を変えて)してくれとの要求があったようです。

Aさんもストレスがたまり、異常な方だったらあまり深追いしないほうが無難かと思いつつ、払ってこないことへの
怒りも、やはり沸いてきます。当然ですが。

そこで

①、このような金額もさほど大きくはない債権を、踏み倒そうとする人がいる場合、零細で事業やっている方々
は、どう対応するのがいいのか、何かいい方法はあるのでしょうか?
踏み倒されるしかないのですかね。。

②、また、請求先をかえてくれという要望に答えるべきか?
私は、そういう人間だから、また話しすり替えてくるかもなので、応じない方が
いいのではないかと返事しています。

何かアドバイスあれば、お願い致します。

1 ご質問及び回答の結論
>①、このような金額もさほど大きくはない債権を、踏み倒そうとする人がいる場合、零細で事業やっている方々
>は、どう対応するのがいいのか、何かいい方法はあるのでしょうか?
>踏み倒されるしかないのですかね。。

今後の対応としてありうるのは
①本人名で内容証明郵便を出す
②弁護士名で内容証明郵便を出す
③支払督促をする
というところです。

ただし、①本人名で内容証明郵便を出す以外は、費用や時間的なコストの観点からおすすめはできません。

>②、また、請求先をかえてくれという要望に答えるべきか?
>私は、そういう人間だから、また話しすり替えてくるかもなので、応じない方が
>いいのではないかと返事しています。

先生のご指摘のとおり、またのらりくらりとされる可能性もあるので、要望には応えるべきではないと考えます。
また、法律的に、会社に対して、代金を請求する権利があるか否かという点でも問題があるものと思います。

2 ご質問①に対する回答の理由
(1)①本人名で内容証明を出す
 内容証明によることで、こちらも本気だということを相手方に対して分からせる効果は、ある程度期待できます。
ただし、通常の請求をするのと、法律上の効果は何ら変わりませんので、相手が請求に応じなければ、それ以上は進みません

内容証明を出す費用は、枚数にもよりますが、2000円程度です。

(2)②弁護士名で内容証明を出す
 弁護士から内容証明を出すことで、本人名で出す場合より、相手方が危機感を抱く可能性は高くなります。
弁護士費用がかかることが難点です。

(3)③支払督促をする
 裁判所に対して、支払督促の申立てをすることも考えられます。

 支払督促申立書の書式と記載例は、裁判所の下記URLページに載っていますので、ご参照ください。
http://www.courts.go.jp/saiban/syosiki_siharai_tokusoku/siharai_tokusoku/index.html

申立てにかかる費用
申立手数料:500円(請求額が5万円の場合)
切手代:数千円

 それほど難しい手続きではないので、弁護士に依頼せず、ご本人でなさることもできなくはないかと思いますが、時間的なコストがかかることは否めません。
また、支払督促に対して、相手方が異議を出してくると、通常の訴訟に移行してしまいます(こちらから、訴訟を申し立てたものとみなされる)。
そのため、訴訟対応を行う必要が出てくる可能性があることも要注意です。

(4)まとめ
①は費用もそれほど高額ではなく、簡単に行えるため、手段としてはあり得るところです。

②は、5万円程度の請求ですと、仮に回収できたとしても、弁護士費用の方が高額になってしまう可能性もあります。

③は、ご本人で行う場合には、それほど費用はかかりませんが、時間的なコストや手間を考えると、あまりおすすめできません。

これから行われるのであれば、①本人名で内容証明郵便を出すというのが現実的かと思います。

3 ご質問②に対する回答の理由
※契約は、Bの会社ではなく、B個人との間でなされたことを前提とします。

本来、代金の請求は契約したBに対してのみ、可能です。
代金の請求権は、契約者に対して生じるものだからです。

ご質問のケースでは、Bが、請求先をBの経営する会社あてにしてくれと要望していますので、この点をとらえて、Aと会社との間で、Bの代金の支払いを肩代わりするという合意があったものとみることもできなくはありません(Bが会社の代表権を持っていることが前提です。)。

しかし、この程度だと、Aと会社との間で、合意が成立したと見るには、少し弱いです。
ですので、今回、会社に対して代金を請求する権利があるとは考えにくいケースであり、会社に対して代金請求をする法的根拠に乏しいです。

また、のらりくらりとしている相手のペースに乗ってしまうという意味でも、会社に請求先をかえるのは控えた方がよいでしょう。