医療法人は、医療法により、合併が
認められています。
http://ah-iryou.com/houjin/ap-gappei.html
医療法人が社団医療法人の間で合併する
ケースですが、
被合併⇒基金制度あり
合併⇒基金制度なし
の場合、合併法人は被合併法人の基金を
引き継ぐことになると考えられます。
基金制度は定款の規定によって設けることが
できるものですが、上記の場合には、合併法人には
基金制度がありません(定款に規定ないため)。
この場合の法律関係ですが、
1 認可が必要になるため、予め合併法人で定款の
改正を行う
2 定款変更せずとも認可は下りるものの、包括承継たる
合併の効力により、基金の定めが合併法人の定款にありと
される
3 基金の定款の定めは単に、基金による資金調達に過ぎ
ないため、上記のような定めがなくとも、基金による資金調達は
できないものの、基金という劣後債務を保有することは
問題ないとされる
4 その他
のいずれになりますでしょうか?
根拠法などもありましたら教えていただければと思います。
よろしくお願いいたします。
社団医療法人間の合併で
被合併⇒基金制度あり
合併⇒基金制度なし
の場合の法律関係について
2 回答
(1)結論
実務上の措置としては
①被合併会社の定款の定めと同様の規定を合併会社にも定める
又は
②合併手続前に被合併会社において、基金の返還を手続きをする
ことになります。
(2)理由
まず、合併の効力が生じれば、基金を引き継ぐことになります。
しかし、先生のご指摘の通り、医療法人の合併は、都道府県知事の認可が効力の発生要件となります(医療法57条5項)。
そもそも基金制度自体は、医療法上は法定されていないのですが、医療法施行規則30条の37、38で定めされています。
これは、認可制度の特殊性で、認可をする行政庁に認可及びその認可対象法人等に対する監督について広範な裁量が認めれており、裁量行使のルールとして定めれているものと考えられます(本来は法律で定められることが良いとは思いますが、違法とまではいえないでしょう)。
そうすると、定款に基金制度の定めのない社団医療法人を存続会社、基金制度のある社団医療法人を消滅会社とする合併については、定款の変更がなされない限り、合併の認可がそもそもされないということになり、合併の効果が生じないということになります。
調査したところによると実務上もこのような合併に認可しないようです。
実務上の措置としては、
①被合併会社の定款の定めと同様の規定を合併会社にも定める
又は
②要件を満たせばですが、合併手続前に被合併会社において、基金の返還を手続きをする
ということになります。
よろしくお願い申し上げます。