お世話になっております、税理士の●●です。
代表取締役かつ大株主から計算書類等の提供依頼を受けた場合の対応についてご教授ください。
株式会社Xの代表取締役Aから私に、X社に関する下記書類の提供依頼がありました。
・直近3事業年度の確定申告書及び決算書
・直前事業年度の総勘定元帳
・今年度の固定資産税明細書
Aはこれらの書類を、自身の相続税対策の検討基礎資料として利用する予定です。
これらの書類がX社と直接関係のない目的に利用されることを理解した上でAの求めに応じても問題ないか、
問題となる場合はどのように解決すべきか、
をご教授ください。
(補足)
Aは保有資産の規模が大きく、その構成が複雑なため、大手税理士法人の手を借りて現状把握と課題分析を行い、解決の方向性を検討していこうとしています。
私としては、
Aが相続税対策を検討することも大手税理士法人の手を借りることも賛成の立場なので、Aの依頼には前向きに応じたい、
ただしAの妹(取締役)の中には「うるさ型」の方がいらっしゃるので手続は注意して進めたい、
と考えています。
X社の株主構成
A(代表取締役) 27%
Aの妹B(取締役)23%
Aの妹C(取締役)17%
Aの妹D(取締役)17%
Aの母E(取締役)14%
Aの子F(役職なし)2%
X社はAら一族の資産管理会社で、その実務面はAら一族が支配するY社の経理・総務部門が担っています。
A~Fは3ヶ月に一度、Y社の経理・総務部門からX社の経営状況の報告を受ける程度で、X社の実務や経営への関与は形式的なものに過ぎません。
以上
ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。
1 ご質問
>株式会社Xの代表取締役Aから私に、X社に関する下記書類の提供依頼があり>ました。
>・直近3事業年度の確定申告書及び決算書
>・直前事業年度の総勘定元帳
>・今年度の固定資産税明細書
>Aはこれらの書類を、自身の相続税対策の検討基礎資料として利用する予
>定です。
>これらの書類がX社と直接関係のない目的に利用されることを理解した上で
>Aの求めに応じても問題ないか、問題となる場合はどのように
>解決すべきか、をご教授ください。
2 回答
問題が生じるとすれば、
税理士法の守秘義務の問題と考えられます。
先生の違和感はとても理解できます。
ただ、株式会社Xの代表取締役Aは、
上記の資料について調査する権限がそもそも
ありますので、先生が提供したとしても、
実務上、先生に法律上問題ありません。
ただし、あくまでも、X(の代表者)からの
請求として、資料を提供する旨(メールまたは郵送物の
場合送り状等)は、伝えてください。
それをどう利用するかはAの問題となります。
よろしくお願い申し上げます。