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関税に加算する要素

永吉先生
お世話になっております。いつもご教示ありがとうございます。
税理士の●●です。

関税に加算する手数料について

商標登録されているブランド品について
商標権者A法人(ライセンサー)と商標権使用料を支払っているB法人(ライセン
シー)はいずれも外国法人ですが、
このブランド品について、日本の内国C法人がB法人との販売契約を締結しました。
商品(完成した製品として)を仕入れるにあたり特に制約はありませんが最低数量販
売の
目標は定められているのですが、目標数に達しなくてもペナルティはありません。
ただ、販売契約には売上金額の10%を支払う旨の約定があります。
この場合B法人に支払う金額は関税の申告にあたり加算するロイヤリティ(売手帰属
収益)に該当するでしょうか?
なお、B法人とC法人に特殊関係はありません

情報不足かとは思いますが、ご教示よろしくお願いします。

●●先生

ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。

1 ご質問

>販売契約には売上金額の10%を支払う旨の約定があります。
>この場合B法人に支払う金額は関税の申告にあたり加算するロイヤリティ
>(売手帰属収益)に該当するでしょうか?
>なお、B法人とC法人に特殊関係はありません

2 回答

結論としては、C法人が、B法人に対し支払う本件ブランド品の
売上金額の10%相当額は売手帰属収益に該当するものと考えられます。

関税定率法4条1項5号が、課税価格の加算要素として掲げる売手
帰属収益には、輸入貨物の再販売で得られる売上代金について、買手が
売手に分配する利潤も含まれると解されています。

ご質問の事案も、買手であるC法人が、売手であるB法人に
対して、輸入貨物である本件ブランド品の再販売で得られる売上代金の
10%という利潤を分配するものかと考えられます。

なお、いただいた事情からすると関税定率法4条2項各号の
特殊事情もないように思います。

したがって、売手帰属収益に該当するものと考えられます。

よろしくお願い申し上げます。

回答ありがとうございました。
追加質問させて頂きます。

売手帰属収益に該当する場合
所得税法上の源泉徴収の対象となるでしょうか?

よろしくお願いします。

●●先生

追加でのご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。

1 ご質問

>売手帰属収益に該当する場合
>所得税法上の源泉徴収の対象となるでしょうか?

2 回答

まず、先日のご質問のとおり、
この再販売による10%の分配
については、売手帰属収益となるものと考えられます
(4条4号または5号)。
前回の質問では、売手帰属収益に該当するか
というものでしたので、少なくとも5号に当たる
という趣旨での回答でした。

一方で、今回の源泉徴収の対象となるのかという点
については、所得税法161条1項11号の
に該当し、国内源泉所得に該当するかという点がご質問の
ご趣旨かと思います。

この場合、再販売の売上の10%を支払うという
約定が何に対する対価として支払われていたのか
という点が問題となると思います。

B法人からC法人への売買の条件に過ぎない
と評価されるのか、
それとも、B法人が、A法人(ランセンサー)から
のB法人が第三者(C法人)に商標の利用を許諾をする
権限を与えている上で、B法人がC法人に当該商品の販売
行為のための商標権等の利用を与えたことに対するロイヤリティである
と評価されるのかという問題かと存じます。

いただいた事情のみからでは明確に判断することが難しく、
厳密には、その商品がどのようなものか、
その商品に関するAとBの契約関係や
10%の支払いが必要になる理由、
契約に至る経緯、その他の契約書の条項などから、
判断されることとなるでしょうが、

私見としては、
再販売10%を支払うという契約があるのみで、
商標権等の使用許諾の対価(ロイヤリティ)である
と評価することは難しいように考えます。

以下の裁決例が参考になるものと考えられますが、
https://www.kfs.go.jp/service/JP/79/20/index.html

今回は、
技術情報の提供を受けるための対価などと
認定しうる契約ではないのであれば、
商標権等の使用許諾の対価(ロイヤリティ)とは
言えないと考えます。

よろしくお願い申し上げます。