●●と申します。
当社は4月末日決算の1年決算法人です。
3年4月期の決算は、役員退職金の支払いがあったため、
資本金1,000万円
繰越損失3,000万円
差引純資産額2,000万円でした。
令和3年5月以降、絶好調で、令和3年9月末で単年で1億円の利益が出ております。
期の途中ですが、配当をすることは可能でしょうか。
令和3年4月末の数字を使うと配当可能限度額がゼロとなりますが、
令和3年9月末で限度額を計算することが認められれば、限度額が生じます。
アドバイスいただけると幸いです。
以上です。
ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。
1 ご質問
>資本金1,000万円
>繰越損失3,000万円
>差引純資産額2,000万円でした。
>令和3年5月以降、絶好調で、令和3年9月末で単年で1億円の利益が出ており
>ます。
>期の途中ですが、配当をすることは可能でしょうか。
>令和3年4月末の数字を使うと配当可能限度額がゼロとなりますが、
>「令和3年9月末で限度額を計算することが認められれば、限度額が生じます。
2 回答
株主総会で期中配当決議を行うこと
前提かと思いますので、その前提で回答します。
基本的に分配可能額の計算は、
最終事業年度の剰余金の額を出発点として計算します。
(原則、期中損益は加味されません。)
ただ、期中配当の場合に、期中の損益を含ませる
方法として、臨時決算を行えば、臨時決算日までの期中の損益を加味する
ことが可能です(会社法461条2項1語2号イ )。
例えば、株主総会で、期首から9月末までの損益計算書及び9月末の
貸借対照表(臨時計算書類)の承認決議をすれば、
その利益の額を分配可能額の計算において、加算することができますので、
その方法によれば、配当可能な事案であると考えられます。
よろしくお願い申し上げます。