お世話になります。
●●です。
タワーマンションの相続税評価額を争った裁判で、
令和2年6月24日と令和3年4月27日にともに東京高裁において
納税者が負ける判決が出ていますが、それぞれのその後の状況や経緯を
ご存知でしたらご教示ください。
また、タワマンの相続税評価に関する国税の考え方や今後の見通しに
ついて情報がございましたらご教示ください。
宜しくお願い致します。
ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。
1 ご質問
>タワーマンションの相続税評価額を争った裁判で、
>令和2年6月24日と令和3年4月27日にともに東京高裁において
>納税者が負ける判決が出ていますが、それぞれのその後の状況や経緯を
>ご存知でしたらご教示ください。
両判決とも上告及び上告受理申立てがなされていますが、
まだ最高裁で受理したか否か、受理したとして、
どのような判断をしたかという点については、まだ情報
がはいってきていません。
最高裁でひっくり返っているということがあれば、
確実に話題となっているでしょうから、少なくとも
現時点で、ひっくり返す判決がでているということは
ないと思います。
>また、タワマンの相続税評価に関する国税の考え方や今後の見通しに
>ついて情報がございましたらご教示ください。
この点については、特段「情報」がというわけでは
ありませんが、判決がでるとそれに沿った形で、
進めていくという方向性にはなりますね。
税理士の先生としてはなかなか悩ましい問題です。
相続税法上の時価はあくまでも税法上は客観的交換価値に
なりますが、
租税負担の公平を維持するため、
納税者側には財産評価基本通達による評価によることを
裁判例はほぼ強制している一方で、
国側には総則6項の適用が認められるということなので。
ただ、法律上の時価はあくまでも客観的交換価値に
なる上、財産評価通達は基本的にそれを利用して、
評価額を下げる意図の行為があることを前提には
作られていないので、
特に取得時期や売却時期が相続開始時に近いケースなどで、
乖離が激しい場合には、財産評価基本通達以外の方法で
評価されること自体はやむをえないとは思われます。
(一方で、そうであるならば、
納税者側にも認める裁判例などももう少しできて欲しいところです。)
税理士の先生としては、長期的な対策することや
理論武装をした上で、リスクを説明の上、お客様に
意思決定してもらう他ないように思います。
あまり有益な情報がなく申し訳ないですが、
よろしくお願い申し上げます。