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第二会社方式の採用について

永吉先生

いつも、お世話になります。
●●と申します。
下記件につきご教示下さい。

(前提)中小企業再生支援協議会の支援を受けリスケを受けられている法人の代表者から相談を受けました。内容は、リスケが終了しても返済の見通しが立たないため、会社及び個人の破産手続きを希望するとのことでした。そして、もし可能であれば、第二会社方式(現在、会社が保有している賃貸物件を元従業員が設立した会社へ売却する等)を採用したいとのことでした。
(質問1)第二会社方式には、大きく分けると①中小企業再生支援協議会の支援を受ける方法と②中小企業再生支援協議会の支援を受けない方法とがあり、①の方は、要件や金融機関との調整が必要で難易度が高いと聞いたことがあります。・実際、①の方が難易度が高いのでしょうか。・現状、中小企業再生支援協議会の支援を受けてリスケをしている状況で、②を選ぶことに法的な問題等あるのでしょうか。
(質問2)中小企業再生支援協議会の支援を受けずに第二会社方式を採る場合の弁護士の選定方法について、アドバイスがあれば教えて頂きたいです。(近隣の弁護士の中から面談等を経て選定するのと、全国対応の破産案件に特化した弁護士の中から選定する等。近隣の弁護士の中には、地域の再生支援協議会のメンバーになっている方等、色々な繋がりもあると思い、相談者がどのように弁護士を選ばれた方がよいものかと疑問に思った次第です。)
以上になります。お手数をお掛け致しますが、宜しくお願い致します。

●●先生

ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。

1 ご質問①〜第二会社方式について

>小企業再生支援協議会の支援を受けリスケを受けられている法人の代表者から相談を
>受けました。内容は、リスケが終了しても返済の見通しが立たないため、
>会社及び個人の破産手続きを希望するとのことでした。
>そして、もし可能であれば、第二会社方式(現在、会社が保有している賃貸物件を
>元従業員が設立した会社へ売却する等)を採用したいとのことでした。

>第二会社方式には、大きく分けると①中小企業再生支援協議会の支援を受ける方法と
>②中小企業再生支援協議会の支援を受けない方法とがあり、
>①の方は、要件や金融機関との調整が必要で難易度が高いと聞いたことがあります。
>・実際、①の方が難易度が高いのでしょうか。・現状、中小企業再生支援協議会の支援を
>受けてリスケをしている状況で、②を選ぶことに法的な問題等あるのでしょうか。

①の方が②よりハードルが高いかどうか
というのは、状況によります。

ただ、②は第二会社方式を実行することだけ
考えれば、不動産を売却するだけという
ことになりますので、そういう意味でハードルは低いです。
そういう意味で難易度が低いという意味かもしれません。

しかし、②の方法でも、
法人の破産を前提にする場合には、
以下の理由で、債権者との同意等を得る等含めて、
対価の適正性を厳密に調整しなければなりません。

適正な対価設定でない場合、
詐害行為取消権やその後の手続で管財人の
否認権を行使されてしまうからです。

もちろん、破産手続きを行う前提で、
安値で売却等すれば、
罪に問われる可能性もでてきます。
(破産法265条1項4号等)

②方法で、第二会社方式を利用するのであれば、
法人破産申立前に対価の適正性をできる限り担保し、
一定のリスク込みで行うのか、
法人破産申立後、管財人との調整で不動産を
取得するのか等の個別事案に応じた詳細なコンサルティング
及び調整が必要となります。

いずれにしても、ご質問②とも関連しますが、
法人破産を依頼する弁護士を選定した上で、
その弁護士と調整しつつ進められた方が良いです。

2 ご質問②〜弁護士の選定について

>中小企業再生支援協議会の支援を受けずに第二会社方式を採る場合の
>弁護士の選定方法について、アドバイスがあれば教えて頂きたいです。
>(近隣の弁護士の中から面談等を経て選定するのと、
>全国対応の破産案件に特化した弁護士の中から選定する等。
>近隣の弁護士の中には、地域の再生支援協議会のメンバーになっている方等、
>色々な繋がりもあると思い、相談者がどのように弁護士を
>選ばれた方がよいものかと疑問に思った次第です。)

地域については、例えば従業員さんが多い会社や
社長様のご年齢等の関係などで、弁護士が近い方が
良いケースも、そうではないケースもありますが、
一般論としては、その地域に近い弁護士の方が無難でしょう。

>近隣の弁護士の中には、地域の再生支援協議会のメンバーになっている方等、
>色々な繋がりもあると思い

とのことですが、通常の弁護士であれば、
守秘義務があるため、不利益はありません。
(ただし、えっ!?と思う弁護士が一部いるのは事実ですが。)

あとは、
>全国対応の破産案件に特化した弁護士の中

との関係でいうと、ネット上で、破産の全国対応
をうたっている事務所は、どちらかというと
「個人」の破産(債務整理)を数多くこなしている
という事務所が比較的多いのも事実です。
(あくまでも事務所によりますが)

今回のように法人破産のケースだと
それが適切な事務所かは微妙なところです。

地域がわかりかねますが、
弁護士界には、いわゆる「倒産村」と呼ばれる
任意の派閥のようなものに属する弁護士たちがおりまして
(方向性により派閥も分派してます)に、おそらくその地域の
弁護士にお知り合いがいれば、誰がそのような
弁護士なのか知っていますので、紹介してもらえる
可能性も高いです。

私も地域によってはご紹介できる場合もありますので、
個別でメール等をいただいても構いません。

よろしくお願い申し上げます。