いつも、お世話になります。
税理士の●●と申します。
下記件につきアドバイスお願いします。
(質問事項)
新電力の契約に関する質問です。
小売電気事業者の代理店営業マンから「デメリットなしで、電気代が安くなる」という説明を受け、市場連動型の電力料金プランを契約された方がいます。
結果として、昨年12月~1月の電力取引市場の価格高騰に伴い、調達調整費を請求されているとのことです。
口頭ではデメリットを説明せず、契約書とは別に渡された約款には、当該デメリットに関する記載がある場合、
契約に関する説明義務を果たしていることになるのでしょうか。
また、説明義務違反にあたる場合には、どのような対応策が考えられるのでしょうか。
質問は以上になります。宜しくお願い致します。
ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。
1 ご質問①〜説明義務について
>小売電気事業者の代理店営業マンから「デメリットなしで、電気代が
>安くなる」という
>説明を受け、市場連動型の電力料金プランを契約された方がいます。
>結果として、昨年12月~1月の電力取引市場の価格高騰に伴い、
>調達調整費を請求されているとのことです。
>口頭ではデメリットを説明せず、契約書とは別に渡された約款には、
>当該デメリットに関する記載がある場合、
>契約に関する説明義務を果たしていることになるのでしょうか。
小売電気事業者やその契約の取次や代理を業として行う者は、
料金とその算出方法について説明をすることが義務付け
られています(電気事業法2条の13第1項、同法規則3条の12第1項7号)。
そして、説明義務とは別に、書面等の交付義務が
定められている(電気事業法2条の14)ことから、
単に契約書や約款を消費者に交付するだけでは説明義務
が果たされたとは言えないでしょう。
ただし、説明義務の履行の有無は、説明を受ける者の属性や
証拠から判断されますので、その方が理解できるのに
十分な説明をしていた等主張してくれば、いったいわない
の争いにはなるところです。
2 ご質問②〜今後の対応について
>また、説明義務違反にあたる場合には、どのような対応策が考えられる
>のでしょうか。
契約の解除や損害賠償請求をして調達調整費との相殺を
することが考えられます。
この場合の損害ですが、事実認定と評価の問題となりますが、
目安でいうと、
従来利用していた電力会社の電気代を利用した場合と
新契約を利用した場合の差額が考えられます。
つまり、
①従来利用していた電力会社の電気代
②新電力契約による通常の電気代
③調達調整費
で、②+③ー①(つまり差額)の金額というのが
硬いラインになります。
もちろん、しっかりとした説明があれば、従来のままではなく、
他の契約をしていた等を立証できる事情があれば、
他の契約と今回の契約の差が損害となるという主張も
可能ですが、証明という観点ではかなり厳しいので、
明確な証拠などがないと難しいところかと存じます。
よろしくお願い申し上げます。