いつもお世話になっております。
税理士の●●です。
税理士は税理士業務に付随して租税債務の確定に必要な範囲に限り
一定の社労士業務ができることとされています。
1、この「租税債務の確定に必要な範囲」については定義はあるのでしょうか。
例えば広く捉えた場合、資格取得届を提出しなければ法人が支払う保険料が確定せず、
結果として租税債務は確定できないので資格取得届も租税債務の確定に含まれる気もします。
2.社労士の行う「提出代行」とは、第三者が事業主に変わって「提出のみ」する場合と違いはあるのでしょうか。
ご質問ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。
>税理士は税理士業務に付随して租税債務の確定に必要な範囲に限り
>一定の社労士業務ができることとされています。
1 ご質問①〜「租税債務の確定に必要な範囲」について
>1、この「租税債務の確定に必要な範囲」については定義はあるのでしょうか。
>例えば広く捉えた場合、資格取得届を提出しなければ法人が支払う保険料が確
> 定せず、結果として租税債務は確定できないので資格取得届も租税債務の確定に含まれ
>る気もします。
「租税債務の確定に必要な範囲」というのは、
http://www.aichi-sr.com/huzui.html
こちらの「租税債務の確定に必要な事務の範囲内」
というところからきているお話かと思います。
「租税債務の確定に必要な事務」について、
明確な定義等はされていないのが現状です。
ただ、この租税債務の確定に必要な事務というのは、
あくまでも、租税債務確定のために必要な税務書類の
作成や税務代理に付随する範囲というようなニュアンス
で利用されているものかと思います。
もちろん、文字面だけから判断すると
>資格取得届を提出しなければ法人が支払う保険料が確
>定せず、結果として租税債務は確定できない
というご指摘はおっしゃる通りなのですが、
あくまでもそもそも実体的な債権・債務があり、
存在する債権・債務の関係を前提に、
納税申告書等で国に提出し、租税債務の確定に必要な事務
の範囲を指しているように思います。
言葉のニュアンスでかなり伝わりにくいのですが、
例えば、申告納税方式では、
納税義務の成立があり、その後の確定申告等により
納税義務が確定されることとなります。
納税義務の成立に必要な事務ではなく、
あくまでも、納税義務の確定に必要な事務を指している
というとニュアンスが伝わるかもしれません。
つまり、納税義務者が国に対して行う納税義務確定行為
に必要な範囲ということであり、
その他の法律関係を規律する行為まで含めたものとしては、
捉えられていないとは思います。
(余計混乱を生む説明でしたら、申し訳ないです。)
2 ご質問②〜社労士の行う提出代行について
>社労士の行う「提出代行」とは、第三者が事業主に変わって「提出のみ」する場合と違いはあ
>るのでしょうか。
一般的に社労士法の「提出代行」は、社会保険労務士の職印を捺印して
依頼主に代わって申請書等の提出手続きを行うことと解釈されています。
tokyosr.jp/entrance/work/
等
これを前提にすると、
第三者が事業主に代わって提出のみをするというのは、
既に作成済みの書類を、
ただ事務的に労働局等へ提出することであるとすれば、
事業主が第三者を利用して提出作業を行っただけで
(言うなれば、郵送を個人に頼んだだけです。)
社労士法とは関係がないといえそうです。
ただ、社労士法第2条1項1号の2が
「一の二 申請書等について、その提出に関する手続を代わつてすること。」
と、「手続きを代わつて」と広くとっている
ところから何ともといえないところです。
(個人的には、郵便局が郵送して良いなら良いでしょとは思います。)
よろしくお願い申し上げます。