民法

養子縁組の離縁について

永吉先生

離婚した前配偶者の連れ子を養子縁組しており、その離縁方法をご教示ください。

前提
・ご相談者の姉A(配偶者の連れ子を養子にしている)は、離婚しております(死別かどうか不明)。
・上記姉Aは、実子はいません
・上記姉及びご相談者の両親は既に亡くなっております。

ご質問
①姉Aは、養子と離縁するつもりですが、生活上縁が切れており、連絡も難しいようです。
この場合、どのように離縁手続きをしたらよろしいでしょうか。

②姉Aと配偶者が、死別か離婚かで、離縁手続きは異なるのでしょうか。

③弁護士先生には、どのタイミングで入って頂いた方がよろしいでしょうか。
(永吉先生の主観でご回答頂ければと思います。)

よろしくお願い致します。

●●先生

ご質問ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。

1 ご質問①~離縁の方法~

>①姉Aは、養子と離縁するつもりですが、生活上縁が切れており、連絡も難しいようです。
>この場合、どのように離縁手続きをしたらよろしいでしょうか。

まず、離縁の方法としては、協議による離縁と裁判による離縁
という方法があります。

(1)協議による離縁

当事者の協議で離縁をする方法です。(民法811条1項)。
離縁を行う場合には、離縁届に当事者双方及び成年の証人2人以上が署名し、
区役所等に提出する必要があります(民法812条、739条2項)。

この方法は、あくまでも養子との合意が必要となります。

なお、おそらく今回は、状況的に、養子は15歳以上かと
思いますが、15歳未満であるときは、

養親と養子の離縁後に法定代理人となるべき者
との間で行います(民法811条2項)。

(2)裁判による離縁

協議で離縁をすることができない場合には、
裁判により離縁をすることになります。

以下のいずれかの要件がある場合には、当事者の合意がなくても、
裁判手続により離縁をすることができます(民法814条)

① 相手方から悪意で遺棄されたとき
② 相手方の生死が三年以上明らかでないとき
③ その他縁組を継続しがたい重大な事由があるとき

裁判手続により離縁をする場合には、
調停を申立て、調停が不調の場合には、
訴訟を提起することになります。

2 ご質問②~死別と離婚で手続きは異なるか~
>②姉Aと配偶者が、死別か離婚かで、離縁手続きは異なるのでしょうか。

本件では、違いはありません。

3 ご質問③~弁護士介入のタイミング~

>弁護士先生には、どのタイミングで入って頂いた方がよろしいでしょうか。
>(永吉先生の主観でご回答頂ければと思います。)

そうですね。連絡が難しいというレベル感
によりますが、合意により解消することが
難しいということでしたら、裁判手続きによる
しかないので、弁護士に相談した方が良い
でしょう。

よろしくお願い申し上げます。