民法

コンサルティング業務を途中で解約した場合の報酬の取り扱いについて

いつもありがとうございます。

(前提)
・会社Aは、専門分野に関するアドバイス業務を会社Bから請け負った。

・会社Aは、会社Bに対し、専門分野に関する助言等をメール、電話等で行う。

・期間は1年、報酬は年100万円、契約時に支払い済み。

・いつでも1ヶ月前予告で解除できる規定あり。
ただし、解約した場合の報酬の取扱いに関する規定はない。

・期間半分の時点で契約解除を行った。

(質問)
上記前提の場合、報酬はどのように取り扱うのが適切でしょうか。
半分を精算すべきでしょうか。

宜しくお願い致します。

●●先生

ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。

1 ご質問

>(前提)
>・会社Aは、専門分野に関するアドバイス業務を会社Bから請け負った。
>・会社Aは、会社Bに対し、専門分野に関する助言等をメール、電話等で行う。
>・期間は1年、報酬は年100万円、契約時に支払い済み。
>・いつでも1ヶ月前予告で解除できる規定あり。
>ただし、解約した場合の報酬の取扱いに関する規定はない。
>・期間半分の時点で契約解除を行った。
>(質問)
>上記前提の場合、報酬はどのように取り扱うのが適切でしょうか。
>半分を精算すべきでしょうか。

2 回答

>解約した場合の報酬の取扱いに関する規定はない。

ということですと、仮に裁判等になれば、

A社は、取引の経緯等から、解約はできるが、
1年分は解約されたとしても、返金しない趣旨の合意であったと主張し、

一方、B社は、1年間の報酬は、1年業務を継続する対価として
設定されていたものであり、解約があった以上、100万円
の返金する合意であったと主張することになるのでしょう。

もちろん、判断は個別事案においてということに
なるのでしょうが、
契約書に明記がない以上、
実際に半年間はA社は業務をしている
ことから、B社に全額返金すべきという判断には
無理があるでしょう。

また、1年分を前払してもらった趣旨から
解約は自由だがその部分については返金しない
という合意があったという主張は一理あるかとは
思いますが、契約書上明確な定めがないケースですと
認定されることはなかなか難しいです。

解約の理由によるところかと思いますが、
A社、B社が債務不履行などをしていない
前提ですと、

民法における委任契約において、
受任者(A社)は既にした履行の割合に応じて
報酬を請求することができるとする民法648条3項
から

裁判所は、
>半分を精算すべき

という判断をする可能性が非常に高いと思いますし、
妥当なところかと思います。

よろしくお願い申し上げます。