相続 贈与 株式 遺留分

遺留分の算定基礎財産である株式を株式移転させた場合

前提

父とその推定相続人 母、子A、子Bがおり、さらに現在会社が2社あります。
X社は子Aが100%株式を保有しており、
Y社は父が100%保有している会社です。

父の財産は、Y社株式5,000万と預金5,000万の合計10,000万で、
このうちの、Y社の株式を父から子Aに贈与時の評価額5,000万で贈与する予定です。
この贈与時点において想定される子の遺留分侵害額は、
1,250万(10,000万×1/4×1/2=1,250万)になるので、
預金5,000万あれば子Bの遺留分侵害はないと想定されます。

ただし、贈与後の計画として持株会社としてのZ社を設立してX社とY社の株式をすべ
てZ社に株式移転させる予定です。
・X社の株主を子A→Z社へ(株式移転)
・Y社の株主を父→子A(贈与)→Z社へ(株式移転)
・Z社を子Aが100%株主で株式移転により設立
贈与後のY社株式の評価額はさらに増加することを仮定して、
贈与から父の相続開始時点におけるそれぞれの株式の評価額は、
Y社が5,000万から30,000万に増加し、
X社が3,000万から20,000万に増加し、
Z社の相続開始時の評価額については50,000万となると仮定します。

質問
父の相続開始があった際に、遺留分の算定基礎財産は
Y社の株式30,000万+預金5,000万=35,000万になるのか、
それとも、Z社の株式50,000万+預金5,000=55,000万になるのでしょうか。

以上です。

お忙しいところ恐縮です。
よろしくお願いします。

1 ご質問

>X社は子Aが100%株式を保有しており、
>Y社は父が100%保有している会社です。

>・X社の株主を子A→Z社へ(株式移転)
>・Y社の株主を父→子A(贈与)→Z社へ(株式移転)
>・Z社を子Aが100%株主で株式移転により設立
>贈与後のY社株式の評価額はさらに増加することを仮定して、
>贈与から父の相続開始時点におけるそれぞれの株式の評価額は、
>Y社が5,000万から30,000万に増加し、
>X社が3,000万から20,000万に増加し、
>Z社の相続開始時の評価額については50,000万となると仮定します。

>父の相続開始があった際に、遺留分の算定基礎財産は
>Y社の株式30,000万+預金5,000万=35,000万になるのか、
>それとも、Z社の株式50,000万+預金5,000=55,000万になるのでしょうか。

2 回答

まず前提として、
遺留分算定の株式評価の時点が、相続開始時のものに
当たるという考え方は、

生前贈与した株式を相続財産に持戻して評価することを
前提としています。

簡単に言えば、贈与した株式を被相続人(父)が相続時点
で持っていたと仮定して評価するというものです。

ですので、

>Y社の株式30,000万+預金5,000万=35,000万になるのか、
>それとも、Z社の株式50,000万+預金5,000=55,000万になるのでしょうか。

ということですと、あくまでも贈与対象の株はY社株ですので、
Y社株の相続開始時点の株式価値30,000万を前提に
考えることになるでしょう。

ただし、あくまでもY社の株式を被相続人(父)が相続時点で
持っていたらという一種のフィクションの下、評価するもの
ですので、

ご質問の事例では特にご想定されている
わけではないと思いますが、

例えば、株式移転後、
Y社の高収益事業を、X社に移転される
などをして、Y社単体の株式の価値をあえて
下げているなどの特別の事情があれば、
それは評価に影響を及ぼすことにはなるでしょう。

そして、どこまで事情を考慮して判断するかは、
個別具体的な状況を前提に、弁護士の力量などや裁判官によっても
異なってくるものと考えられます。

よろしくお願い申し上げます。