なりますが、実務的に必ず取締役会の承認を得る必要があるのでしょうか？
今回のケースでは、個人が当該会社から借り入れを行うのですが、取締役はすべ
て同族関係者（当該個人、配偶者及びその子）、株主は当該個人と後継候補であ
る息子のみ、借入金もないため、特段の問題は生じないように思われます。
ここ数年、不動産オーナーから賃貸アパートの建物のみを同族会社へ譲渡する取
引を幾つか行っていますが、登記申請を頼んだ司法書士によって、建物譲渡契約
に係る取締役会議事録を作成したりしなかったりマチマチです。
取締役会の承認を得ない取引は原則として無効とのことですので、お家騒動があ
った場合等に備えて、法律的には利益相反取引に係る取締役会の承認を得るに越
したことはないのでしょうが、取締役会の承認を得ずに行った利益相反取引が税
務的に何か不都合を生じさせる可能性についてご教示いただければ幸いです。
税務調査において、社長と会社との間の利益相反取引に係る取締役会の承認を得
ていないので、この金消契約は無効です、などと言われることはあり得ないでし
ょうが・・・
（２）今までインターネットから入手した金消契約のひな型を適宜加工していた
のですが、代表者と会社が締結する金銭消費貸借契約書のひな型（ワードファイ
ル？）をお送りいただくことは可能でしょうか？
＝＞このメーリングリスト法律相談会で依頼していいことかどうかわからないの
で、サービスの範疇を越えているのであれば、おっしゃってください。
どうぞ宜しくお願い致します。
＞個人が自ら代表取締役を務めている株式会社と行う取引は利益相反取引と
＞なりますが、実務的に必ず取締役会の承認を得る必要があるのでしょうか？
（２）回答①
●●先生がおっしゃる通り、
取締役会の承認を得ない取引は原則として無効とのことですので、お家騒動があ
った場合等に備えて、法律的には利益相反取引に係る取締役会の承認を得るに越
したことはないということで、お家騒動等は、何がきっかけで起きるのかがわからない
（意外と突然対立が起こったりします。）ため、一人株主の会社は別として、
私としては、できる限り取締役会の承認を得ることをクライアントには薦めています。
ただし、一取引毎に取締役会をするのは煩雑ということもあります。ですので、利益相反取引は事後的に承認すれば、その取引は取引時より有効なものとされますので、数ヶ月に１回、その間に存在する取引について、まとめて承認するという方法でバランスをとるという方法もクライアントの状況等勘案して、利用しています。
もちろん、●●先生が、より該当会社様のことをご存知だと思いますので、お家騒動がおこる可能性等考慮して決めていただければと思います。
２（１）質問②
＞取締役会の承認を得ずに行った利益相反取引が税
＞務的に何か不都合を生じさせる可能性についてご教示いただければ幸いです。
＞税務調査において、社長と会社との間の利益相反取引に係る取締役会の承認を得
＞ていないので、この金消契約は無効です、などと言われることはあり得ないでし
＞ょうが・・・
（２）回答②
お家騒動等おこっていなければ、取締役会の承認を得てない利益相反取引であったとしても、
仮に税務調査で、何かいわれた場合、事後的に取締役承認決議をすれば取引時に遡って有効な取引になりますので、
税務上問題はないと考えられます。
（仮に無効であったとしても、法律上は返還義務を負いますので、会社から個人に債権放棄がされた事実等の
特段の事情が立証されない限り、本来は、損益取引等としては扱われません。）
３ 金銭消費貸借契約書のひな型について
当サービスは、ご質問に対して回答するというサービスで、雛形の提供まで含むものではございません。
ただし、当会の趣旨は、税理士の先生を法務面でサポートさせていただくことで、顧問先様の予防法務等を実現するという点もあります。
ですので、すべての場合に提供できるわけではありませんが、当事務所で既に使用しているものや簡単な契約類型の場合等当方の判断で、できる限り提供させていただきたいと考えております（私からも、税理士の先生がお持ちになれば便利そうだなというものは、今後発信していく予定です。）。
提供するしないは、当方の判断になってしまう点は、恐縮ですがご了承いただければ幸いです。
メールへのデータ添付は、下記の運用のルールの通り、禁止事項となっておりますので、こちらのURLからダウンロードいただければ幸いです。
https://pct-law.jp/download/001
あくまで雛形である点はご了承下さい。