代表弁護士 永吉 啓一郎様
いつもお世話になっております。
ご質問がありますので、ご回答をお願い致します。
質問
「農地所有適格法人」においての要件であります。株式の譲渡制限について、下記の場合は要件に合致しますでしょうか。
「当会社の株式を譲渡により所得することについて取締役の承認を要する。当会社の株主が当会社の株式を譲渡により取得する場合においては取締役が承認したものとみなす。」
ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。
1 ご質問
>質問
>「農地所有適格法人」においての要件であります。株式の譲渡制限につ
>いて、下記の場合は要件に合致しますでしょうか。
>「当会社の株式を譲渡により所得することについて取締役の承認を要する。
>当会社の株主が当会社の株式を譲渡により取得する場合においては取締役
>が承認したものとみなす。」
2 回答
そうですね。農地所有適格法人のいわゆる法人形態要件
において、株式会社は公開会社でないものに限られますが、
上記の定款規定であれば、「公開会社でないもの」といえるでしょう。
なお、行政との関係では譲渡制限さえついていれば、
問題視されないと考えられますが、
会社法上は、譲渡の承認機関を
本来の承認機関(取締役会非設置であれば株主総会、取締役会設置であれば取締役会)
の下位の機関にする定款の有効性については
見解が真っ二つに割れておりますので、取締役を承認機関とする
こと自体は、リスクを考慮してあまりお勧めはしていません。
(どちらが正しいということよりは、リスクがあるという意味でです。)
なお、詳細は、会員の皆様方にお送りしております
私の書籍「非公開会社における少数株主対策の実務」P73~
に記載がありますので、ご参照ください。
いずれにしても、農地所有適格法人との関係については、
問題はないものと思います。
よろしくお願い申し上げます。