税理士賠償責任

長期間の関与先と、現在において契約書を作成する場合

お世話になります。●●と申します。

(前提)

・各関与先とは何十年とお付き合いしています。

・現状では契約書はありません。

・今更ですが、業務範囲と役割分担について、
明確にしておきたいと考えます。

(質問)

・今から作成する契約書で、過去に行ってきた業務についても
その効力を生じさせるには、どのような記載をすればよろしいですか。

よろしくお願いします。

●●先生

ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。

1 ご質問
>・各関与先とは何十年とお付き合いしています。

>・現状では契約書はありません。
>・今更ですが、業務範囲と役割分担について、
>明確にしておきたいと考えます。
>今から作成する契約書で、過去に行ってきた業務についても
>その効力を生じさせるには、どのような記載をすればよろしいですか。

2 回答

契約書のどの条項について、過去から
同一のものとするかにより、記載する箇所は
異なるかと思いますが、例えば、以下のように
【】の箇所に以前から同様としたい条項を
入れる方法があります。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
第○条 甲(依頼者)と乙(税理士)は、【第○条及び第○条】について、
乙の顧問業務開始の時から本契約書締結までの期間においても、
同様であったことを確認する。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

その他、契約書全体も過去から同一のものとしたい
というケースでは、冒頭の部分に、

「なお、甲と乙は、乙の顧問業務開始の時から本契約書締結までの期間においても、
本契約書と同一の契約内容であったことを確認する。」
と記載する対応でも可能です。

なお、法律上は、この契約書で過去の業務に関する
効力が変更されるわけではなく、
あくまでも、過去について契約書がなく不明確で
あったためそれを両者で確認し明確にするという趣旨のもの
になります(今契約書を締結しても、過去の顧問業務の内容などが
変更になるわけではないため、このような構成になります。)

よろしくお願い申し上げます。