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借地契約の事業譲渡

永吉先生

お世話になっております。

・M&Aを事業譲渡で行う際、借地契約を事業譲渡の対象とすることはできますか?

・事業譲渡の対象にできる場合、
旧借地法で締結された土地の賃貸借契約を旧借地法の内容のまま引き継ぐことはできますか?

・引き継ぐことができる場合、「土地の借主変更に係るご通知」のような書類に、
借主が変更される旨記載し、地主から承諾した旨の署名押印をもらう形で法的に問題ないでしょうか?
それとも、旧契約と同内容の契約書を作成しなおす必要はありますか?

よろしくお願いいたします。

ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。

1 ご質問①

>・M&Aを事業譲渡で行う際、借地契約を事業譲渡の対象と
>することはできますか?

事業譲渡は、法的には個別の権利義務の譲渡の集合
に過ぎませんので、その個別の借地契約を事業譲渡の内容の
一部として対象とすることは可能です。

ただし、個別の権利義務の譲渡ですので、
当然、賃貸人(地主)の承諾が必要です(民法612条1項)。

仮に事前承諾なく、実行した場合には、
借地契約の解除事由となってしまいます(民法612条2項)。

2 ご質問②

>・事業譲渡の対象にできる場合、
>旧借地法で締結された土地の賃貸借契約を旧借地法の内容のまま引き継ぐ
>ことはできますか?

そうですね。上記の承諾が得られれば、
そのまま引き継ぐことができます。

3 ご質問③

>・引き継ぐことができる場合、「土地の借主変更に係るご通知」のような
>書類に、借主が変更される旨記載し、地主から承諾した旨の署名押印を
>もらう形で法的に問題ないでしょうか?
>それとも、旧契約と同内容の契約書を作成しなおす必要はありますか?

ご指摘の通り地主から承諾した書面をもらってください。

むしろ、契約書の作成をし直すと、新賃借人と賃貸人の
新たな借地契約と評価されて、旧借地法の内容のまま引継ぎができないと
認定されてしまう可能性も高くなります。

よろしくお願い申し上げます。