税理士法 税理士賠償責任 その他

税務・会計顧問による社会福祉法人監事就任の可否

弁護士法人ピクト法律事務所
代表弁護士 永吉 啓一郎様

いつもお世話になっております。
ご質問がありますので、ご回答をお願い致します。

質問
税理士が会計と税務の顧問をしている社会福祉法人の監事就任は可能ですか。
又監事に就任する場合は会計と税務の顧問を解約しなければならないのか、
ご教示をお願い致します。

以上、よろしくお願い致します。

●●先生

ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。

1 ご質問

>税理士が会計と税務の顧問をしている社会福祉法人の監事就任は可能ですか。
>又監事に就任する場合は会計と税務の顧問を解約しなければならないのか、
>ご教示をお願い致します。

2 回答

社会福祉法人法上は、会計税務の顧問をしている
からといって、必ずしも監事に就任してはいけない(資格がない)
という規制にはなっていません(同法44条等)。

ただし、国としては、監事が理事の職務や法人の計算書類
を監査する立場にあるため、
会計業務や税理士業務を行っている税理士の先生が
就任すると自己の行った業務を監査するという立場に
なり、ガバナンス上、問題があるとしています。

以下の29頁等
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kiban/syakaihukushihoujin/senmonkakaigi/2804senmonkakaigi.files/09_shiryo3-5.pdf

こちらも、法律では不可とはされていない
ため、「適当でない」という表現でごまかされては
います。

通常の株式会社の監査役と異なり、組織運営の適正化の
観点から監督官庁に監督権限があり、指導が入ることがありますので、

指導が入った際の
お客さまとの関係性等を考慮すると
監事と会計・税務顧問を両者の立場を
することはあまりおすすめできる
ことではないなというところです。

よろしくお願い申し上げます。