お世話になります。
大阪の●●と申します。
以下の案件についてご教授ください。
【前提】
①9月末でテナントを退去します。
②当初は6月末で退去の連絡をしており、
その際に、解約通知を家主に渡していました。
ある事情があり、退去を9月末まで延ばしてもらったという
経緯があるのですが、改めて解約通知は渡していませんでした。
（口頭での合意があったと理解しています）
③10月1日から新しい借主が入居することが
決まっています。
④家主から解約通知をもらっていないので
敷金は返還できないと言われたそうです。
賃貸契約書にはそのような記載はありません。
また、家賃を滞納していたことは一度もありません。
⑤もともと、契約書にも記載がないこと
例えば、土日は営業してはいけないといったことを
言ってきて、それを無視して営業していたこともあり、
家主との関係はよくありませんでした。
【質問】
敷金を返還しないということに
正当な理由はないと思っているのですが、
このような家主に対して
どのように対応したら良いでしょうか。
よろしくお願いいたします。
ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。
１ ご質問
＞敷金を返還しないということに
＞正当な理由はないと思っているのですが、
＞このような家主に対して
＞どのように対応したら良いでしょうか。
２ 回答
＞③10月1日から新しい借主が入居することが
＞決まっています。
とのことですので、先生のご指摘の通り、
家主も9月末で、退去することについて、
合意があったと考えて良いでしょう。
そうすると、
＞④家主から解約通知をもらっていないので
＞敷金は返還できないと言われたそうです。
＞賃貸契約書にはそのような記載はありません。
＞また、家賃を滞納していたことは一度もありません。
というのは、ご指摘の通り、法的に理由がありません。
ただし、法的いうと、敷金の返還請求権は、
明渡完了後に発生すると解されていますので、
家主がこのような主張をしているからと言って、
明渡しを遅らせることはできません。
明渡を遅滞すると、損害賠償等の対象となってしまいます。
敷金を返還するように伝えたとしても、
これに応じないという場合、
明渡後に具体的に金銭を請求していくこととなります。
ご本人様で内容証明等を送り応じてくれるなら、
良いのですが、そうでない場合には、その金額等も
勘案して、弁護士等に依頼して回収行為を行う
こととなります。
それでも応じない場合には、訴訟手続等の
法的手段をとらざる得ないでしょう。
よろしくお願い申し上げます。