ご質問がありますので、ご回答をお願い致します。
2人の株主が50%づつ所有している株式会社でお互いに対立し運営が行き詰っております。折り合いが悪く打開策がみえません。どのようにしたらよいかのご教示をお願い致します。
ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。
1 ご質問
>2人の株主が50%づつ所有している株式会社でお互いに対立し運営が行き
>詰っております。
>折り合いが悪く打開策がみえません。どのようにしたらよいかのご教示を
>お願い致します。
2 回答
そもそも50%ずつ株式を持つということは、
意見が対立してしまうと会社の重要な意思決定が
できない状態となるリスクを内在していることとなります。
方法としては、今後事業を一緒に行っていけるのか
そして、難しい場合は、株主間の協議で、以下のような方向性
を決める他ありません。
・一方の株主から、他方の株主(または会社)等が株式を買い取る
・事業が2つ以上あり、各株主で担当事業等があるのであれば、会社分割等で
事業を切り分けて各株主が100%株主の2社に分ける。
・会社を解散する
等になります。
株主総会決議事項以外の意思決定や業務の遂行については、
代表取締役の方が決定するほかありません。
(ただし、このような状態で無理やり決定すると、
善管注意義務違反に基づく損害賠償等をされる
リスクは残ります。)
なお、どうしても話し合いがまとまらないという場合には、
裁判所に対し、当該株式会社の会社の解散の訴え(会社法833条1項1号)
を行うという方法もありますが、
意見対立によるデットロック解消のための解散の訴えが
認められるのは、
①「会社の業務の執行において著しく困難な状況に至り、会社に回復することができない損害が生じ、または生じるおそれがあること」
②「やむを得ない事由があること」
というかなりハードルの高い要件が課せられます。
現実的には協議を継続しても、意見対立が収束しないという
ケースでは、会社を継続する株主が、一定の対価を払って、
株式を買い取る合意をするというのが現実的なところに
なります。
よろしくお願い申し上げます。