株式 会社法

法人株主の株主総会決議についての議決権の行使者

永吉先生

お世話になっております。

法人株主(B社)1社に株式を100%所有されている法人(A社)の特別決議について
お教えください。

A社の事業年度変更について、株主総会の特別決議が必要となりました。

A社、B社の株主関係は以下の通りです。
A社株主・・・B社100%保有
B社株主・・・A社代表取締役(a氏) 40%
a氏子供b氏、c氏 各30%

この場合、A社の株主総会議事録に記載する出席株主は法人として1社と記載すべきか
又は、B社株主個人の参加として○○名と記載したほうが良いのかお教えください。

b氏、c氏共にA社の業務に携わっていないため、可能であればa氏の意思決定のみで
総会を進めたい趣旨もございます。

よろしくお願い致します。

ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。

1 ご質問

>A社の事業年度変更について、株主総会の特別決議が必要となりました。
>A社、B社の株主関係は以下の通りです。
>A社株主・・・B社100%保有
>B社株主・・・A社代表取締役(a氏) 40%
a氏子供b氏、c氏 各30%
>この場合、A社の株主総会議事録に記載する出席株主は法人として1社と記載すべきか
>又は、B社株主個人の参加として○○名と記載したほうが良いのかお教えください。

2 回答

あくまでもB社がA社の株主であるので、
「B社 1社(または1名)」との記載となります。

そして、
株式会社において、業務を執行するのは代表取締役(取締役)であるため、
原則として、B社の代表取締役が、B社を代表して議決権を行使する
権限を有しています。

このため、A社の株主総会における出席者は、
議決権自体を有している「B社 1社」とするか、
B社を代表して出席しているB社代表取締役を出席者と捉えて、
「B社 1名」とすることになります。
(どちらでも構いません。)

なお、会社法上の要請では、
株主に関する事項として「出席株主数」のみを議事録に記載すれば
足りますので、「出席株主数 1」との記載で足ります。

子会社の株式の議決権の行使について、
その議案内容によっては、取締役会決議や
株主総会決議が必要なケースもあり、
また、その議決権の行使が親会社である
B社に損害を生じるようなものの場合には、
善管注意義務違反となるおそれがありますので、
親会社の株主総会や個別株主の了承を得ることで
リスクヘッジをするということは実務上ありますが、

今回は、子会社A社の事業年度の変更ということ
ですので、特段その点も心配はなく、B社の
代表取締役で行うことができると思います。

よろしくお願い申し上げます。