い。
お尋ね概要:
取締役がいわゆる廃棄物処理法の欠格要件に該当した場合の、欠格要件に該当しなく
なる日はいつでしょうか。
前提他:
○ 取締役会(員数定員3名)の構成は、取締役A、B、C、代表取締役Aでした。
○ 代表者A高齢のため取締役及び代表取締役を辞任、代表取締役にB就任、新たな
取締役Dを選任しようとしましたが、
Dは平成27年5月20日、刑法上の罪により懲役3年執行猶予4年の刑が確定し
ていました。
○ ところで、いわゆる廃棄物処理法の欠格要件は、
『禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた
日から五年を経過しない者』となっております。
○ ネット上での解説を見ると、『執行猶予を取消されずに執行猶予期間が終了すれ
ば、刑の言い渡しによる効果がなくなり、その日以降将来にわたって
禁錮以上の刑に処せられた者ではなくなるため、法的には元の一般人の状態に戻る』
とあります。
そこで、お尋ねですが、
(1) 『執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者』とは、どのよ
うな人を指すのでしょうか
ネット上の解説を基にすると、いわゆる廃棄物処理法の欠格要件に該当しない日
は、執行猶予満了期間から5年経過ではなく、平成27年5月20日から4年間を経
過した平成31年5月20日となり、その日以降に取締役に選任されても問題ないと
いう理解でよろしいでしょうか。
(2) それとも、取締役に選任されても問題がない日は、執行猶予期間満了の翌日
となる平成31年5月21日以降となるのでしょうか。
>(1) 『執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者』とは、どのよ
>うな人を指すのでしょうか
> ネット上の解説を基にすると、いわゆる廃棄物処理法の欠格要件に該当しない日
>は、執行猶予満了期間から5年経過ではなく、平成27年5月20日から4年間を経
>過した平成31年5月20日となり、その日以降に取締役に選任されても問題ないと
>いう理解でよろしいでしょうか。
>(2) それとも、取締役に選任されても問題がない日は、執行猶予期間満了の翌日
>となる平成31年5月21日以降となるのでしょうか。
欠格事由に該当しなくなるのは、
執行猶予期間が満了したときです。
判決の確定:平成27年5月20日
を前提とすると、欠格事由に該当しなくなるのは、
平成31年5月21日午前0時(20日午後12時)です。
2 回答の理由
(1)欠格事由該当性の解釈
ご指摘のとおり、今回問題となるのは、
「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者」
(廃棄物処理法7条5項4号ロ)の解釈です。
執行猶予を取り消されることなく、
その猶予期間を経過したときは、
刑の言渡しの効力そのものが
失われます(刑法27条)。
したがって、執行猶予期間を満了した方は、
上記の条項には該当しないと解されており、
執行猶予期間満了時点で、
欠格事由には該当しなくなります。
なお、「執行を受けることがなくなつた」
というのは、どのような場合を指すのか
疑問に思われるかもしれませんが、
これは、刑の時効や恩赦により刑の執行が
免除されたような場合を想定しているものです。
(2)執行猶予期間の計算
判決の確定が平成27年5月20日とすると、
初日不算入(刑事訴訟法55条1項)により、
執行猶予期間開始は、平成27年5月21日です。
そして、4年間の期間満了時は、
平成31年5月20日午後12時(21日午前0時)と
なります。
したがって、欠格事由に該当しなくなるのは、
平成31年5月21日からということになるでしょう。
よろしくお願い申し上げます。