税理士の●●です。
表題の件で質問です。
前提)
男性Aは、女性Bと婚姻予定。
Aは初婚で、Bは再婚。
婚姻後、Bの実子C(未婚男性)を、相続税対策で養子縁組したい。
質問)
養子縁組後も、Cの名字を変更させない方法はありますか?
よろしくお願いいたします。
ご質問、ありがとうございます。
弁護士法人ピクト法律事務所の永吉です。
1 ご質問
>前提)
>男性Aは、女性Bと婚姻予定。
>Aは初婚で、Bは再婚。
>婚姻後、Bの実子C(未婚男性)を、相続税対策で養子縁組したい。
>質問)
>養子縁組後も、Cの名字を変更させない方法はありますか?
2 回答
ご指摘のとおり、養子縁組をすると、原則として、
養子の名字は養親の名字に変更されます
(民法810条本文)。
今回のケースでは、Bの名字を変更させなくて
すむパターンとしては、
現在(A・B婚姻前)において、
C名字がBのものであり、AとBが婚姻の際に
Aの名字をBにするという場合のみ可能となります。
(おそらくご質問の事例ではこれが難しいための
ご相談かと存じますが。)
一方で、Cの名字が一旦は養親の名字に変更されることを前提に、
もとの名字に戻す方法として、養親が、家庭裁判所に対し、
氏の変更許可申立てを行うことが考えられます(民法791条)。
氏の変更許可申立てが認められれば、
Cはもとの名字を名乗ることができます。
ただし、氏の変更許可申立てが認められるためには、
Cがもとの名字を名乗り続けることに「やむを得ない事由」があると
裁判所が判断し、許可がされる必要があります(戸籍法107条1項)。
「やむを得ない事由」とは、
氏の変更をしないとその人の社会生活に
おいて著しい支障を来す場合をいうとされています。
例えば、Cが長年にわたりその名字を
利用しており、その名字を仕事等も含めて、
幅広く知られているような事情があれば、
認められやすいというところはあります。
ただ、このような事情があっても、
あくまでも「許可」となりますので、
やってみなければわからないところがあるため、
事前のアドバイスとしてはなかなか難しいところがあります。
変更できない可能性があることは伝えた上で、
養子縁組をするかの判断は必要かと思います。
よろしくお願い申し上げます。